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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

また1つ消える香港の光......報道の自由の象徴だったニューススタンド

●実は香港の象徴的な存在だったニューススタンド

香港のKIOSK版と言ったところのニューススタンド。

日本のKIOSKの近代的な店構えと異なり、香港のニューススタンドは、掘ったて小屋って感もあるけれど、街になじんでいる。

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香港のニューススタンドでは、新聞、雑誌、飲み物、お菓子、おもちゃ、タバコ、ライターなどを買うことができる。

読み物はローカル新聞、欧米紙、日本紙、日本の漫画、本土中国の新聞、経済雑誌、一部エロ系などだ。

街行く人々が新聞を取り上げてついでにキャンディーなどのお菓子を買い、朝飲茶で買った新聞を読んだり、カフェで買った新聞を読んだりしている。

ごく当たり前のただのニューススタンドだと思っていた。

その当たり前と思ってたものが実は香港の象徴的存在だったと香港に住んで知るようになる。

●報道の自由のシンボルだったニューススタンド

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まずざっと香港のニューススタンドの歴史を振りかえってみよう。

このニューススタンドが最初に出来たのは1904年にさかのぼる。サウスチャイナモーニングポストが購買数を増やす目的で作られたものだった。

1949年共産党による中華人民共和国の建国が宣言され、香港は自由を求めて目指す街となる。

同時にニューススタンドは香港の報道の自由の象徴的存在となった。

九龍の繁華街のチムサーチョイのあるニューススタンドが共産党員の腐敗、スキャンダルを書いた本を売り出した。

買い求める人は大陸の中国人。ピーク時には1日に1000部売れたという。体制批判本を買い求め中国本土に持ち帰った。それは唯一フリーメディアの地だった香港だから出来たこと。

しかしながら2015年、同じくスキャンダル本を売っていた銅羅湾書店のオーナーが拉致される事件が起こり、北京の香港へのコントロールを人々は強く意識するようになる。

銅羅湾書店事件についてはこちら

そして国案法が最後の一撃となる。香港では告発本はもうは出版できなくなった。ニューススタンドはそれまで売っていたスキャンダル本を全て破棄せざるをえなくなった。

90年代に2500店舗あったニューススタンドは現在約400店舗にまで激減している。

●岐路に立たされるニューススタンド

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現在ニューススタンドの利益の7割はタバコから。新聞の利益はわずか1割程度という。

暴露本を売れなくなったニューススタンドのオーナーたちは今スマホの充電器、ケーブル類の電化製品を販売できるよう香港政府に懇願している。

ニューススタンドは岐路に立たされている。

そしてもう1つニューススタンドのオーナーが頭を悩ませているのがデジタルの波だ。

スマホからニュースを読む人が増えたためだ。

ああ、そういえば自分自身も周りの知人達もニュースはスマホで拾っている。

充電器でこの危機を乗り切れるのか?

ニューススタンドには新たな道を模索する試練が待ち受けている。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。

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