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ベイリー弘恵|アメリカ

舞台ハリーポッター卒業後、米国の映画祭で最優秀主演女優賞を獲得!岩田華怜がNYへ挑む

©Karen Iwata

AKB48のメンバーとして2011年から5年間活躍した岩田華怜(いわたかれん)。2012年に第54回の日本レコード大賞にて「真夏のSounds good !」が大賞を受賞した当時、華怜はAKB48に選抜入りしていたため14歳7ケ月という最年少記録となった。14歳という若さだったので、運よくAKB48で上りつめてきたのかと思っていたら、

本人曰く、「かなりガッツでここまで生き残ってきた部類の人間なので、岩田華怜といえば雑草魂。」なのだとか。

AKB48を卒業後は、舞台ハリーポッターのデルフィー役を演じたアジア系の役者は初で、現段階で全世界の歴代デルフィー役の最年少となった。ここでも最年少記録を更新した記録保持者である。

「AKB48に所属していた時は、ヘビーローテーションやフライングゲットが人気で全盛期だったので、握手会やコンサート、バラエティー番組の収録や雑誌の取材もあって、忙しかったです。私は忙しいほうが安定するタイプなので、お仕事は苦にならないのですが、これまで芸能活動だけを中心にやってきてたため、急に休みが入ると、逆に何をしてよいのかわからなかったです。」

現在はアメリカで新たなるチャレンジを目指し、ニューヨークへ渡る予定だ。

「まずは言語をしっかり学びたいです。お芝居も学びたいので、ニューヨークで演技のワークショップを受けられるくらいの語学力を付けたいこともあるため。現実は甘くないってわかっていますが、後々はオーディションを受けられるくらいになるといいですね。」



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©Karen Iwata

AKB48を卒業後は、芸能事務所ホリプロに所属し舞台や映画の仕事もきていたようだが、なぜ渡米を選んだのだろう?それは自身が宮城県に生まれたため、東日本大震災を小学校6年生で被災したことにも関係しているようだ。

「震災のときにデビューして、日本では復興支援活動を中心にアイドルをやってきたのですが、自分で脚本を書くことも好きなので、自分で震災に関するお芝居をつくって、舞台や映画で世界に発信していきたいというのが目標の一つです。

私と同じ宮城県出身の堀江貴監督の『The Last Passenger(邦題:最後の乗客)親子の関係が震災で変わってしまったというフィクション作品』が、グローバル・ノンバイオレント映画祭で5冠※2を受賞したこともあって、最優秀主演女優賞をいただきました。そのおかげで私の名前もIMDB※1に自動登録されたようです。(岩田華怜IMDBリンク)」

アメリカへ移住する前から、女優として名前と顔が知れ渡るというラッキーに恵まれたようだ。最後の乗客といえば、卵おにぎりを実際に監督がニューヨークで行われた映画のレセプションでもふるまわれたというお話を耳にしたのですが、お味はいかがでしたか。

「堀江監督のお母さまが監督が小さいときに作っていらした、おにぎりの中に卵焼きが入っているというおにぎりなのですが。監督の出身地でもある若林区のお米屋さんがボランティアで握ってくれたおにぎりで、美味しかったです。この映画はクラウド・ファンディングで主に宮城県を中心とした地域の皆さんに応援していただいてできた映画だったので、予算もきりつめて一週間くらいで撮影しました。

夜のシーンがほとんどだったので、夕方に撮影を始めて、次の朝6時までの撮影だったため、昼間に睡眠をとって夜通し撮影という生活だったので、かなりハードでした。」

それほどハードな撮影も、そつなくこなして、最優秀主演女優賞を勝ち取ったのだから、芝居好きで才能があるのだということも納得できる。

ニューヨークには移住前に一度はいらっしゃったと思うのですが、訪れてみて、楽しかったですか?

「6月に2週間ほど初めてニューヨークを訪問しましたが、楽しくて帰りたくないって思うような、ずっといたい場所でした。日本では歌が歌えるくらいに何度も観てましたが、Wicked(『オズの魔法使い』の裏話として構成された『オズの魔女記』をウィニー・ホルツマンが書き直し脚本化したもの)を本場ブロードウェイで観れたことは感動しました。

私も日本で舞台にでていたハリーポッターは、すべてセリフが頭に入っているので、英語だとこういう表現になるのだってわかって面白かったです。

ただし、内容は同じでも演出家による演出の違いや、国の文化の違いによって、まったく違う作品にみえるものなのだと関心しました。あくまで私がハリーポッターに2022年5月28日まで出演していたことによる、主観的な作品全体の印象なのですが。

主人公の男の子同士が、親友の枠を超えてお互いを必要とし始めているのか否かは、日本では最後まではっきりさせていません。でもブロードウェイでは、かなり序盤からまさにロミオとジュリエットのようにお互いを意識している2人の気持ちが繊細に伝わってきて、感動しました。

言語が違うだけで、台詞の内容は全く同じなのに、芝居と演出だけでこんなにも見え方が変わるんだって。文化も言葉も違うのだから、こういう風に違ってて当たり前なのだって気づかされました。お客さんの反応も違っていて、ここで笑いが起きるんだとか。。。

今は日本キャストのお芝居や演出も私がいた時からは変化しているのかもしれませんが、各国で上演されている作品ならではの面白さというか、日本は日本オリジナルの『呪いの子』の良さを、これからも世界に魅せ続けてほしいなと思います。

お子さん連れも多かったのですが、売店でジュースやポップコーンを買って食べながら映画のように舞台を観ているところも、自由でいいですよね。」

ニューヨークへ来てからの人生は、日本にいる(人気の芸能人だから、日本では皆に注目される存在である。)今とはガラリと変わると思うのですが、意気ごみのようなものを聞かせてください。

「お芝居は好きなのでアメリカで舞台に立つことができればという夢はありますが、まずは英語ができるようになったら最高だと思います。ただし、それがいかに難しいことかというのは、近づけば近づくほど、とんでもなく難しいことをやろうとしていることもわかっていて。

今まで日本の芸能界にいて、コレしかやったことがないので、コレしかできないって思ってる自分をまずは変えたいです。いろんなものを見たり、いろんな人に会ったりして。お芝居を学びにくるつもりですが、もしかしたら別のことをやりたくなるかもしれないですし。広い世界をみることを前向きに思っています。」

【プロフィール】
岩田華怜(いわたかれん)
日本大学藝術学部写真学科卒業。趣味は映画鑑賞、麻雀、執筆。特技は歌、ダンス、台詞の早覚え。13歳でAKB48に加入し18歳で卒業後、本来の夢であった俳優へ転身。表現の幅を広げるため25歳でNYへ渡ることを決意。写真家や脚本家としても感性を磨いている。舞台「ハリー・ポッターと呪い子の」日本初演オリジナルキャスト デルフィー役、PARCO STAGE「ブライトン・ビーチ回顧録」ローリー・モートン役、映画「有り、触れた、未来」 宮本祥子役、「The Last Passenger 最後の乗客」遠藤みずき 役でグローバル・ノンバイオレント映画祭にて最優秀主演女優賞を受賞。


※1 IMDB:(Internet Movie Databaseの頭文字)・・・ Amazonの子会社のIMDb.com, Inc.(設立者はイギリス人のコル・ニーダム)が運営。映画、テレビ番組、ホームビデオ、ビデオゲーム、オンラインのストリーミングコンテンツに関連する情報を集めたオンラインデータベースで、キャスト、制作スタッフ、個人の経歴、作品の概要、トリビア、評価、ファンや批評家のレビューなどが含まれている。

※2 The Last Passengerグローバル・ノンバイオレント映画祭5冠受賞・・・ニューヨーク在住で宮城県出身の映像ディレクター、堀江貴氏(51)が監督した映画「最後の乗客」が最優秀賞を含む5冠を受賞した。受賞したのは最優秀音楽賞(徳家"Toya"淳)、最優秀脚本賞(堀江貴)、最優秀主演女優賞(岩田華怜)、最優秀監督賞(堀江貴)、最優秀作品賞(「最後の乗客」)。同作品は、サンディエゴ芸術映画祭で「最優秀インデペンデント映画賞」受賞、またカンヌ世界映画祭の最優秀インディペンデント映画(低予算部門)ファイナリスト、スウェーデンの映画祭ボーデン・インターナショナル映画祭(BIFF)の初長編映画ノミネート、モントリオール・インデペンデント映画祭の最優秀フィクション映画など数々の映画祭で受賞やノミネートの発表が続いている。 
 

Profile

著者プロフィール
ベイリー弘恵

NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。

NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com

ブログ:NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

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