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川崎重工、26年3月期の売上高予想を下方修正 米関税の影響を反映

2025年08月06日(水)12時45分

川崎重工業は6日、2026年3月期通期の連結業績(国際会計基準)について、売上収益予想を従来の2兆3100億円から2兆2900億円(前年比7.5%増)に下方修正したと発表した。写真は同社のロゴマークのついたエンジン。2013年4月撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - 川崎重工業は6日、2026年3月期通期の連結業績(国際会計基準)について、売上収益予想を従来の2兆3100億円から2兆2900億円(前年比7.5%増)に下方修正したと発表した。米国関税政策の影響を反映した。一方、第2・四半期以降の為替前提を円安方向に修正し、通期の利益予想は据え置きとした。

部門別では、バイクなどのパワースポーツ&エンジン(PS&E)で、売上収益予想を従来の6600億円から6200億円に下方修正した。前年度のリコールの影響や生産遅れからの回復はあるものの、米関税の影響と米国消費者心理の冷え込みを織り込んだ。航空宇宙システムなどは、為替前提の変更や固定費低減による採算性の改善で上方修正した。

前提為替レートは、従来の1ドル=140円から今回は145円と円安方向に見直した。この結果、事業利益では米関税政策によるコスト上昇(180億円のマイナス)やPS&Eなどでの売上減少(同152億円)の影響を、価格転嫁や固定費の低減に加えて円安効果でカバーすると見込む。

事業利益予想は従来通り前年比1.3%増の1450億円、純利益予想も従来通り同6.8%減の820億円。IBESがまとめたアナリスト13人のコンセンサス予想では、純利益の平均値は869億円だった。

同時に発表した4─6月期(第1・四半期)の事業利益は前年比21.1%増の205億円で、通期予想に対し進捗率14%(前年度は12%)と順調な滑り出しとなった。米関税の影響は軽微だった。

四半期業績と通期見通しは以下の通り。

項目 四半期実績 前年比 通期予想(今回) 前年比 従来予想

期間 4─6月 - 25年4月─26年3月 - -

売上収益 4884 10.0 22900 7.5 23100

事業利益 205 21.0 1450 1.3 1450

純利益 42 △72.4 820 △6.8 820

配当 - - 150.00(無) - -

※単位:売上高・利益は億円、配当は円、前年比は%、△はマイナス、「有無」は配当の修正の有無

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