ニュース速報

ビジネス

ユーロ大幅安、ECBの低金利見通し受け=NY市場

2018年06月15日(金)07時11分

 6月14日、ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで急落し、1日の下げでは英国の欧州連合(EU)離脱が決まった約2年前以来の大きさとなった。2012年3月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク外為市場はユーロが対ドルで急落し、1日の下げでは英国の欧州連合(EU)離脱が決まった約2年前以来の大きさとなった。欧州中央銀行(ECB)が来年夏にかけて金利を現在の水準にとどめる見通しを示し、驚きが広がった。

この日の理事会では、量的緩和の年内終了や金利据え置きを決めた。ユーロ圏成長鈍化の兆しや、イタリアの政治混乱、世界貿易を巡る緊張が要因となった公算が大きいとみられている。

緩和政策維持の意向が伝わると、ユーロに強気だった見方が圧迫され、ドルや円に買いが入った。

ユーロは対ドルで一時、1.16ドルを割り込み、2週間ぶりの安値を付けた。直近では1.58%安の1.1602ドルと、英EU離脱決定翌日の2016年6月24日(2.37%安)以来の大幅安を記録した。

対円では1.3%安の128.36円。1日では2週間強ぶりの大幅安となった。

ECBが来年7月までに金利を10ベーシスポイント(bp)引き上げると市場が織り込む予想確率は現時点で30%。この日は先に約80%の水準だったが大きく低下した。

13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にロイターがプライマリーディーラーを対象に実施した調査によると、連邦準備理事会(FRB)は年内あと2度利上げを行い、来年は3度の利上げが見込まれている。

FRBは同日、市場の予想通りにFF金利の誘導目標を1.75─2.00%に引き上げることを決定した。

市場関係者の1人は「米欧の金利差が拡大し、ドルが恩恵を受ける」と指摘した。

今週は米欧中銀の動きが注目されたが、成長鈍化を示す最近の兆候を踏まえ、日銀の刺激策変更予想はほぼ皆無となっている。

ドル/円 NY終値 110.62/110.64

始値 109.99

高値 110.69

安値 109.98

ユーロ/ドル NY終値 1.1567/1.1571

始値 1.1823

高値 1.1851

安値 1.1563

(表はロイターデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米東部4州の知事、洋上風力発電事業停止の撤回求める

ワールド

24年の羽田衝突事故、運輸安全委が異例の2回目経過

ビジネス

エヌビディア、新興AI半導体が技術供与 推論分野強

ワールド

ホンジュラス大統領選、トランプ氏支持のアスフラ氏勝
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中