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8×10のカメラも、この作品の不可思議な魅力を生み出すのに大きな役割を果たしている。このカメラは昨今のデジタルカメラとは大きく異なる。8インチ×10インチというサイズのシートフィルムを使って撮影する大型のカメラだ。

持ち運びが大変なだけでなく、黒布をかぶせてフォーカスし、シャッターを切るまでかなりの時間を要する。その行為自体が神秘的で、またポリーンの言葉を借りれば官能性を孕んでいる。フォーカスするとき、被写体と撮影者は黒布の中の1つの空間で一緒になったようになり、コラボレーションをしているのである。

そうした感覚が作品の被写体の中にも無意識に現れてくる。そして撮影後、そのフィルムの映像を、1つの美の生き物であるかのようにプリントに焼き付けているのである。

だが、彼の「DEEP PARK」シリーズの魅力はそれだけではない。今の時代に対する大きなメッセージが組み込まれている。トランプの時代、彼の登場と共に顕著になったアメリカの分断への抵抗なのである。

それは、プロスペクト・パークでダイバーシティ(多様性)を包容する人々を撮影することだけでなく、フィルム時代の大判カメラを使うことによって行う、現代の人々の、とりわけオンライン文化の中で見られるNon-thinking culture(よく考えずにさっと行動してしまうオンライン文化)への反抗でもあるのである。

ちなみに、Non-thinking cultureへの反抗という政治的なコンセプチュアル・メッセージについては、最初から考えていたものでなく、撮影を重ねていくうちに、時代の波長と重なり合って思いついたものだという。だからこそ、ポートレートは、そして写真は、面白いのかもしれない。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Bruce Polin @brucepolin

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