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隔離や検査を強制した白い防護服姿の作業員に市民の怒りが(北京、昨年12月) THOMAS PETER-REUTERS

辛亥革命後の国民党同様、中国共産党もまずは国土を分割し、地方から革命を進めることで勝利を収めた。

だから現在、国土の周縁部でくすぶる民族解放の動きには神経をとがらせており、早いうちに芽を摘むか、さもなければ容赦なく弾圧している。

その一方で国民には、教育を通じて「一つの中国」の理念をたたき込んできた。中国共産党は基本的に漢族の党だ。漢族以外の少数民族は「一つの中国」など信じないが、漢族の人々(とりわけ中部・東部諸省の住民)はすんなり受け入れる。

だから今では漢族の大半が、たとえ共産党嫌いの民主派であっても、国家の統一を支持しており、少数民族の分離独立には反対している。そのせいで自分たちの自由や民主主義が損なわれてもいいと思っている。

しかし昨年12月以来、新たな変化の兆しが見える。

必ずしも中国共産党を支持しない国外在住中国人の間では、反乱の同期という課題はよく理解されている。もはや民族解放や分離独立の話もタブーではなくなり、賛否をめぐる冷静な議論が交わされている。

ここへ来て「白紙の乱」が起きたのだから、2019年に香港で起きた分離独立志向の民主化運動は正しかったと論じる人もいる。

そうした声はまだ小さい。しかし筋は通っている。

果たして欧米の識者が望むように、そうした声が火種となって、やがて中国の大草原を焼き尽くす日が来るのだろうか。

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