「そして中国の指導者たちはおそらく、緊縮財政、何万人もの戦闘員の死、アメリカや台湾の攻撃による民間人の死など、戦争の代償を国民が受け入れるように心理的な準備をさせるだろう」と、カルバーは指摘した。だが、こうした兆候は見られないことから、早ければ2024年に台湾海峡で紛争が起きるという予測は当たりそうもない。

中国は台湾を自国の領土と主張し、大陸との「統一」を愛国的な使命と考え、必要であれば武力でそれを達成するつもりでいる。一方、台湾では、中国との統一を望む声は減る一方だ。

中国が軍事的な手段をとるということは、説得による統一に自信がないことを示唆している。同時に、中国の習近平国家主席も、台湾危機を引き起こすことによる長期的な影響を警戒しているだろう、とカルバーは言う。

「このような戦争は数年あるいは10年近く続く可能性がある。中国はアメリカや、場合によっては多くの国による制裁を受けるだろう。アメリカは経済封鎖も辞さないかもしれない」と彼は書いている。

だがカルバーは、全面戦争以外の中国が取りうる選択肢を単純化しすぎるのも危険だと警告した。

戦いは国家的事業に

「選択肢が少なければ、台湾の降伏を強制することはできないだろう。だが台湾を経済的、政治的にさらに孤立させて台湾政府への圧力を強め、中国に有利な状態で政治交渉に入るよう仕向けることはできるだろう」と、彼は言う。

「中国が台湾に戦争を仕掛けるとすれば、その規模の大きさゆえに戦略的なサプライズをもたらすことはできない。仮に習近平は台湾が戦意を喪失することを期待して短期決戦をねらっていたとしても、ロシアの悲惨なウクライナ侵攻を見て、より慎重になったはずだ」と、カルバーは付け加えた。

「中国の台湾への侵攻は、開始する何カ月も前から秘密ではなくなる。戦いは何年も続く可能性があり、政権が全力で取り組む国家的事業となるだろう」