66歳という年齢で10人目の子どもを出産したアレクサンドラ・ヒルデブラントさんが、わずか3週間後に職場復帰を果たしたというニュースが大きな話題となっている。彼女は、ドイツ・ベルリンにある「ベルリンの壁博物館」の館長を務めており、そのエネルギーと行動力に、多くの人々が驚嘆の声を上げている。

50歳を過ぎて8人を出産、母としての歩み

ヒルデブラントさんは、3月中旬に帝王切開で元気な男の子を出産。入院期間はわずか1週間だったという。彼女にとって10人目の子どもであり、最初の出産は1977年だった。53歳以降は、双子を含む8人の子どもを出産している。

出産はベルリンのシャリテ大学医療センター・ヴィルヒョー・クリニックで行われ、担当したのは長年の付き合いがある産科部長、ヴォルフガング・ヘンリッヒ医師。今回を含め、彼が8回すべての帝王切開に立ち会っている。

ヘンリッヒ氏は「彼女は私が担当した中で最年長の妊婦です。ほとんど合併症もなく37週目で出産できたのは、彼女の精神力と健康状態のおかげだ」と語る。  

ヒルデブラントさんは『Tagesspiegel』紙に、身体的には以前の妊娠と「何の違いも感じない。シャリテ病院はいい仕事をしてくれました。 大家族になることは素晴らしいことです」と明かした。

3週間で職場復帰、その理由とは?

出産からわずか3週間後の4月10日、ヒルデブラントさんは生後間もない息子・フィリップくんを連れて職場に復帰。館長としての業務に戻った初日には、花束やプレゼントといった歓迎の演出もなかったというが、同僚たちも予期しなかった早期復帰だったに違いない。

「私はフィリップを職場に連れて行けますし、自分の職務を果たせばそれでいいんです。上の子たちの面倒を見る必要もありませんから」と、彼女は淡々と語る。仕事をしているからこそ、赤ん坊やほかの子どもたちとの生活がスムーズになると感じているという。

11人目の子供は?

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人生は挑戦! でも、それが普通のこと

しかし、仕事を終えて帰宅すれば、彼女を待っているのは8人の子どもたち(2人はすでに自立) 。「7人でも8人でも、私の生活に大きな違いはありません。人生は挑戦ですが、それが私にとっては普通のことなのです」と話す。 

ヒルデブラントさんは現在、元CDU議員の夫(59歳)とともにベルリン・ツェーレンドルフに新居を構え、500箱にも及ぶ引っ越し荷物の整理を終えたところ。新居では子どもたち一人ひとりに部屋が用意される予定だが、「今のところ、これ以上子どもを増やす予定はありません」と笑う。

10人の子どもの母である彼女は、66歳にして家庭とキャリアの両立を現実的かつ無理なくこなしているように見える。唯一欠けているのは「睡眠」だという。

「誰でもそうですが、私にも8時間の睡眠が必要です。でも、生後3週間の赤ちゃんは、そんな要求を聞いてくれませんからね。一度に8時間眠れるわけではないんです」と苦笑いを浮かべる。

「自然妊娠」 高齢出産の背景

一般的に、40歳を過ぎると自然妊娠の確率は急激に下がり、一桁台になると言われている。だが、ヒルデブラントさんは『ビルト紙の取材に対し、「生殖医療のサポートは受けていません。自然に妊娠しました」と語った。

さらに彼女は、「毎日1時間の水泳と2時間のウォーキングを欠かしません。喫煙も飲酒もしませんし、避妊ピルを服用したこともありません。健康的な食生活を意識しています」と述べている。

なお、メディアに対しては、プライバシーを理由にこれ以上のコメントを控えている。

館長としても長年にわたり文化と歴史の発信に尽力してきたヒルデブラントさんは、仕事と家庭の両立においても多くの人々のロールモデルとなっている。

高齢出産に対する注目が高まる中、ヒルデブラントさんの行動は様々な議論を呼ぶと同時に、「人生をどう生きるか」という問いに新たな示唆を与えてくれるのではないだろうか。