友人や家族と過ごすクリスマス休暇を心待ちにしているドイツ人。祝日は12月25日(クリスマス第1日)と26日(クリスマス第2日)だが、その前後から休暇をとる人も多い。クリスマスプレゼントの支出額は誕生日より多いのが伝統だ。インフレで冷え込むクリスマス商戦ムード、2023年のトレンドを数字で探ってみた。

人気のクリスマスプレゼントは?

ドイツで最も人気のあるクリスマスプレゼントは、ギフト券と現金。心のこもったプレゼントではないという意見もあるが、個人の嗜好が多様化する中で、一番重宝されているようだ。

人気のプレゼントは、2位食品/スイーツ・菓子類、3位玩具、4位衣類、5位書籍と続く。これは、コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤング(以下EY)が実施した調査で明らかになった。

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そしてドイツ人の半数以上が今年のクリスマスに友人や家族に計4~10個のプレゼントを贈るという。またドイツ人はプレゼントをもらうよりも贈ることを好むというのも興味深い。

ドイツ小売協会(HDE)の予測によると、今年のクリスマス商戦でドイツの顧客は約1200億ユーロを消費すると予想されている。11月と12月は、玩具(年間売上高の24.8%)、書籍(23.7%)、宝飾品(23.5%)、家電(23.3%)の各分野にとって特に書き入れ時。

一方で小売業者のほぼ80%は、今後数週間は多くの顧客が買い物を控えるだろうと想定している。昨年と同様、景気の先行き不透明感、インフレ、戦争が再び消費者心理を落ち込ませているからだ。

不人気のクリスマスプレゼントは?

StatistaとYouGovの共同調査によると、不人気のプレゼントは1位下着・ソックス、2位アルコール類、3位家具類/装飾品、4位家電製品、5位香水/化粧品といった順番だ。

下着、ソックス、アルコールはなくても困らないという回答が多い。特にアルコール類は女性には不人気だ。手作りプレゼントに関しては、男女間で大きな差がある。男性の5人に1人が大人からの手作りプレゼントがなくてもいいと考えているのに対し、この種のプレゼントを悪い、退屈、不快と感じる女性は11%に過ぎない。

またクリスマスホリデーが終わると、不要なあるいは気に入らないプレゼントを店舗やオンラインで返品する客も多い。年末から年始にかけて返品に出向く客で街が賑わうのもこの時期ならではのユニークな傾向だろう。

プレゼント予算は?

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クリスマスプレゼント予算は平均250ユーロ

EY調査によると、ドイツ人は今年のクリスマスプレゼントに平均250ユーロを使いたいと考えているという。この額は、219ユーロだった2014年以来、最低の数字となった。

コロナパンデミックの2020年と21年そして記録的なインフレに見舞われた22年は、クリスマスプレゼントだけでなく全体的に消費意欲は停滞、または低下した。それでも22年のクリスマスプレゼントの支出額は252ユーロだった。

ドイツ連邦統計局(以下Destatis)によると、インフレとエネルギーコストの上昇が、ドイツ人の消費意欲にブレーキをかけているという。回答者の36%が今年も以前と同じプレゼントを贈る予定だ。しかし、約3分の1が家族や友人にのみプレゼントを贈りたい、そして5分の1弱が手作りや安価なプレゼントのみを贈りたいという。

回答者の8人に1人は子供だけにプレゼントを贈る予定で、8%はすでに持っていて別に買う必要のないものを贈る。経済的な理由でまったくプレゼントを贈りたくないという回答者はわずか6%で、プレゼントを贈るためにローンを組んだり借金をしたりしたいという回答者はほとんどいない。

クリスマスツリーとキャンドル

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多くの人々にとって、自宅に本物のクリスマスツリーを飾ることは、クリスマスシーズンに欠かせないデコレーションとして楽しみにしている。ドイツでは国内の栽培では需要を十分に満たすことができないため、新鮮なクリスマスツリーは海外から輸入している。

しかし、その数は大幅に減少している。Destatisによると、2022年にドイツに輸入されたクリスマスツリーは合計180万本で、前年より24.5%減少した。輸入数が過去10年間で最高水準に達した2014年と比較すると、クリスマスツリー購買の減少率は37.1%にも達した。

輸入クリスマスツリーの大半(83.3%)はデンマーク産で、150万本が北の隣国から供給された。ポーランド産は12.4%(226,100本)、オランダ産は4.1%(74,500本)だった。

23DEspnoriko.jpg©norikospitznagel クリスマスマーケットで販売されているキャンドル

また2023年第1~3四半期に、海外からドイツに輸入されたキャンドルの総量は99,200トンで、前年同期(123,700トン)より約20%減少した。2023年に輸入されたろうそくのほとんどはポーランド(58.7%)からで、次いで中国(17.0%)、ハンガリー(6.3%)だった。2022年には合計194,300トンが輸入され、2021年より3.2%、2012年より36.2%増加した。

と、ここまでネガテイブなことばかりあげて、気が滅入るばかりだが、売上が伸びている小売店もあるようだ。家電小売部門の実質売上高は前年同期(第1~3四半期)比1.0%増、衣料品小売部門は同2.4%増であった。特に玩具小売(9.5%増)と靴小売(12.8%増)は大幅な伸びを記録した。

クリスマスに人気の料理は?

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クリスマスの食卓

クリスマスを心待ちにしていることのひとつは、友人や家族と過ごす時間、そして皆で囲むクリスマスディナーだ。

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ドイツのほとんどの家庭では、伝統的にクリスマスには例年同じ料理が食卓に上る。ソーセージとポテトサラダが最も好まれているが、鴨のローストやガチョウも人気。魚料理や自分の好きな量だけ食べることのできるチーズや肉のフォンデュ-も好評だ。デザートにはクリスマスクッキーやシュトレン、チョコやナッツがよく食される。

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クリスマスにソーセージとポテトサラダを食するのが人気とは、意外と思うかもしれない。ドイツの親族の食卓でも目にしたことがなかった筆者も以前は驚いた。というのも、いつでも食することのできる質素な料理を伝統あるクリスマスの食卓に?という疑問からだが、これは食文化の違いだろう。

ドイツ人の思いは、食事も大切だが、年に一度、家族が集まる貴重な時間をより大切にしたいということだ。キッチンとリビングを行き来するよりも、今年あったことや思い出、来年行きたい場所や予定していることなど、対面でゆっくり話し合うことを重視することもよく理解できるようになった。

ドイツのクリスマスマーケット

01DEspnoriko.JPG©norikospitznagel シュツットガルトのクリスマスマーケットにて

国内各地で開催されているクリスマスマーケットは、クリスマスシーズンに必須のイベントと考えている人が60%近く。クリスマス休暇を迎えるまで、勤務後や週末に何度も足を運ぶ。年明けまで開催されているクリスマスマーケットもあり、年末年始の休日にゆっくり出向く人も多い。

クリスマスを心待ちにしている一方、今年もまた慌ただしい時期がやってきたとストレスを感じる人もいる。理由は「ショッピングやクリスマスマーケットでの人込みを好まない、迷惑に感じる、プレゼントのプレッシャー、クリスマス前後の移動のため国鉄の混乱」などという。

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それでも、家族が集まるクリスマス休暇を心待ちにしている人は多く、灰色の空が続くドイツの冬を乗り切る楽しみのひとつに違いない。