とは言え、テンバガー(株価が10倍になった銘柄)など株式市場にはいくらでもあります。特別な技術を開発したベンチャー企業や、利益が数十倍にもなった会社などでは、普通にあり得る展開です。いつの時代も、ある局面でそうした会社が現れ、市場の注目を一身に集めるのもまた株式市場の特徴ですし、事前にそうした会社を発掘することも株式投資の大きな醍醐味です。

しかし、短期間で世界7位にまで株価が上昇するのは、稀な事象と言えます。

イノベーションやライフスタイルの大変化など、時代が大きく変化に向けて動きだしたとき、株式市場でいち早く変化が起こるのはよくあることで、また、そうした時代変化の姿を映し出すのが株式市場だったりもします。要するに、テスラの動きは次なる変化の表れかもしれない、ということです。

現在のテスラの株価(と時価総額)は、すでに単なる電気自動車メーカーとしての評価ではなく、時代の変化を映した新しい会社の立ち上がりに対する評価となっているのかもしれません。

過去を振り返ると、株式市場のこうした動きは10年から20年の期間で起こっている現象です。これは世界のみならず、日本市場でも当然起こりうる現象なので、それが、日本株だけやっている場合でも、テスラの動きに注目をしておいたほうがいい理由です。

テスラは、日本株投資を行う上でも、様々なヒントを与えてくれる格好の教材かもしれません。

2021/03/02

[執筆者]

鳳ナオミ(おおとり・なおみ)

大手金融機関で証券アナリストとして10年以上にわたって企業・産業調査に従事した後、金融工学、リスクモデルを活用する絶対収益追求型運用(プロップ運用)へ。リサーチをベースとしたボトムアップと政治・経済、海外情勢等のマクロをとらえたトップダウンアプローチ運用を併用・駆使し、年平均収益率15%のリターンを達成する。その後、投資専門会社に移り、オルタナティブ投資、ファンド組成・運用業務を経験、数多くの企業再生に取り組むなど豊富な実績を持つ。テレビやラジオにコメンテーターとして出演するほか、雑誌への寄稿等も数多い。現在は独立し、個人投資家として運用するかたわら、セミナーや執筆など幅広い活動を行う。

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
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