鳥類は一般的に一夫一妻制で、一度カップル(つがい)になったら、一生涯、鳥生を共にする...ものだと思っていた。
ところが、とんでもなく常識破りの鳥がいることが、長年に渡る観察を続けた調査・研究でわかったという。それは、オーストラリアに棲息するペンギンだ。
オーストラリアには、大陸の南東部とタスマニア島などに「リトルペンギン(コガタペンギンまたはフェアリーペンギン)」という地球上で一番小さい種のペンギンが棲息している。中でもビクトリア州のフィリップ島は、このリトルペンギンたちの最大の営巣地として知られ、ペンギンたちが餌を採り出た海から帰ってくる様子を観察する「ペンギン・パレード」を見るために世界中から観光客がやってくるほどだ。
このリトルペンギンもまた、一般的な野生の鳥と同じく、一夫一妻制で生涯連れ添い、雄と雌が交互に卵を温め、子育てをすることで知られている。いや、知られてきた...といったほうがいいのかもしれない。
フィリップ島自然公園とモナッシュ大学が10年以上かけて実施した調査・研究で、これまで知られていなかったペンギンたちの愛の行動パターンが明らかになった。(参照)
パートナーに隠れてたまに浮気もするし、相手が不満なら離婚もする
リトルペンギンは、上で述べたように「一夫一妻制」で、カップルとなった雄と雌が協力して子育てをするケースが多いと言えば多いが、必ずしもそうではないカップルも結構な割合でいるのだそうだ。
繁殖の成功率が悪かった場合、相手に見切りをつけて新しいパートナーを探したり、関係がうまくいっていたとしても、その裏でちょっとした浮気をしたりすることもよくあるのだという。
ペンギンたちにとっての離婚、再婚は、より繁殖率の高い相手を探し出し、自身のDNAをいかに後世へと繋いでいくかということに直結し、繁殖の役に立たないようなパートナーは不要というわけだ。
調査対象とした約1,000組のコガタペンギンを13の繁殖期追跡した結果、なんと250組もが離婚を経験していたというから驚きだ。
その一方で、離婚率が低い年は、繁殖成功率が高いこともわかったという。カップルとなった雄と雌の関係がうまくいっていれば、おのずと子ができ、種が繁栄する。生き物は種を存続させるために繁殖行動をとるのだから、当然の結果なのだろう。
それにしても、人間であれば、子供なんて要らないわというカップルもいるのに、子ができないなら離婚よ、離婚!という超現実的なペンギンたち。なんとも厳しいペンギン界!
以前、野生動物救助ボランティアとして、自宅近くのビーチでペンギンをレスキューしたことがあるが、見た目はめちゃくちゃかわいいのに、結構、性格のキツいリトルペンギンなのであった(笑)〈了〉