ニューヨーク旅行の途中、筆者のいとこMihoの長女Mai,長男Taiga〈15)が立ち寄ったのは、タイムズスクエア近くにある名門・Broadway Dance Center(BDC)

「クラスを受ける前に、3人で見学に行きました。」世界のトップダンサーたちもレッスンを受けるレベルの高い場所なのだが、さほど敷居が高くなくて、当日でもすぐに見学させてもらえるらしい。

「見学した日はそのまま帰りましたが、Chio先生のクラスをオンラインで登録して、レッスンを受けることにしました。レッスンの最初は緊張していましたが、先生がとても親切で、すぐに打ち解けられました」と二人が振り返る。

Mihoは鹿児島で社会人になってからYJDC Yuko Jazz Dance Companyに通い、ジャズダンスを続けてきた。「私の先生も10年以上前にBDCでレッスンを受けたことがあるって話していたので、"ああ、ここがその場所なんだ"って思って感慨深かったです。」

Maiは3歳から踊り始め、すでに18年のキャリアを持つ。母親が30年以上もジャズダンスを続けてきた影響で、ジャズやヒップホップを幼少期から習い、今では大学でワックやロック(ワックは腕を大きく振り回すように使って感情を表現するダンスで、華やかさやドラマ性が特徴だ。一方ロックは、音楽のノリの中で急に動きを止め、決めポーズを繰り返すスタイルで、明るくコミカルな雰囲気が魅力とされる。)も踊りこなす。

「正直、思ってたよりは難しかったです。でも踊れないほどではなかった。90分で一曲仕上げるのは、ちょっと長いって感じるけど、ついていけないってことはなかったですね」と話す。

一方、Taigaは「初めてのジャズファンクで、ちょっと戸惑ったけど楽しかったです」。小1から踊り続け、今年で9年目。「今回はターンが少なめでした。でも先生によって個性が全然違うから、その分ちょっと難しかった」と感想を述べる。印象的だったのは、クラスでのアメリカ人の姿勢だという。

「日本だと、わからないことがあっても恥ずかしくて質問しないけど、こっちでは"もう一度お願いします!"ってすぐ言うんです。人前でも堂々と聞くのが当たり前で驚きました」

さらにTaigaは「クラスの最後に、アメリカ人の男の人がグッドサインをして"Good job"って声をかけてくれたんです。すごく嬉しかった」

英語ができない部分では少しついていけないこともあったが、Maiが続ける。「でも1、2とか8カウントって世界共通なんですよ。だから言葉がわからなくても、動きでちゃんとコミュニケーションできるんです」

鹿児島からニューヨークへ。そしてBDCのスタジオで、思いがけず生まれたダンスを通じた交流。言葉の壁を超えた瞬間を、家族で共有できた体験となった。

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