Victoria Waldersee Javi West Larrañaga Charlie Devereux
[マドリード 29日 ロイター] - スペインのサンチェス首相は、政治刷新を掲げて中道右派政権から政権を奪取して8年、現在は自身の政党や家族に対する汚職疑惑が相次ぎ、行く手をふさがれつつある。
現状、サンチェス氏自身はどの疑惑でも名前が上がっておらず、周辺への汚職追及は自身の失脚を狙った政治キャンペーンだと指摘している。
サンチェス氏はトランプ米大統領に反旗を翻したりガザ地区での残虐行為を非難したりしたことで、海外のリベラル派からは称賛されているが、国内の世論調査では支持率が低迷。一連の汚職事件を巡り、連立与党からも非難が向けられている。
複数の首相側近が、公共事業や石油・ガス契約、コロナ禍時のマスク調達を巡るキックバックに関して捜査を受けており、その中にはサンチェス氏率いる社会労働党のナンバー3や元運輸相などが含まれる。
サンチェス氏の精神的指導者とされる社会労働党のサパテロ元首相も汚職捜査を受けている。
一方、サンチェス氏の弟や妻を巡る捜査も進行中で、これらは極右とのつながりを持つ人物が率いる反汚職運動団体の申し立てから始まった。
3月の世論調査によると、サンチェス氏は欧州連合(EU)主要国首脳の中で唯一、ネット支持率(支持率から不支持率を引いた数値)がプラスだった。
ただ5月上旬にエレクトロクラシアがまとめた各種世論調査の集計によると、党別の支持率は最大野党の国民党が31.6%と最も高く、社会労働党は28.1%、続いて極右政党「Vox」が17.7%だった。
政府は2027年8月の任期満了前に選挙を行う可能性を否定しているため、国民党は不信任決議案の提出に向けて他の野党からの支持取り付けを図っている。