Guy Faulconbridge Lucy Papachristou
[モスクワ 29日 ロイター] - ロシアが主導する旧ソ連構成国の「ユーラシア経済連合(EAEU)」は29日、欧州連合(EU)への加盟を目指すアルメニアのEAEU加盟資格停止を検討すると発表し、国民がどちらの道を進むべきか投票できるよう、アルメニア政府に対して国民投票の実施を求めた。
ウクライナでの戦争に追われるロシアは、アルメニアを自国の勢力圏にとどめようと腐心しているが、6月7日に議会選挙を控えるアルメニアのパシニャン首相は、公の場でロシアを批判しつつ、西側諸国への接近を図っている。
こうした中でEAEUはカザフスタン・アスタナでの会合後、アルメニアによるEU加盟の追求がEAEUの経済安全保障を危うくする懸念があるとして、年内にも同国の資格停止を検討すると表明。ロシア、カザフスタン、ベラルーシ、キルギス各国首脳は、アルメニアの継続的な加盟については12月の次回会合で見直すと表明した。
また各国首脳はアルメニアに、EU加盟の是非に関する国民投票を実施し、その選択肢に2015年に創設されたEAEUへの残留を含めるよう求めた。
ロシアのプーチン大統領は、EAEUはアルメニアとの「経済分野における統合プロセスに関するほぼすべての活動を縮小せざるを得なくなるだろう」と述べた。
またプーチン氏は、ロシアとアルメニアの人々は「特別な関係」にあり、国をどの方向に導くかを決めるのはアルメニア人次第だと主張。「どのような決定が下されようとも、われわれの人道的な絆が損なわれることはなく、政治的な絆が損なわれることもない。全ての要因を考慮し、慎重に検討した上で決定を下す必要がある」と付け加えた。
パシニャン氏は、議会選挙の激しい選挙戦を理由にこの会合を欠席した。
EAEU内で突出した経済規模を持つロシアは、ここ数週間アルメニアへの圧力を強めており、農産物の輸入に一時的な制限を課したほか、南コーカサス地方に位置してロシアに強く依存している同国に対し、安価なロシア産石油製品やガスの供給停止もちらつかせている。
6月7日のアルメニア議会選挙は、EUや米国との関係強化を模索してきたパシニャン氏と、親ロシア派が大半を占める野党勢力が争う構図となっている。直近の世論調査では、パシニャン氏率いる与党が約30%の支持を得てリードしている。
ロシアは、アルメニアのEAEU加盟とEUへの加盟希望は相容れないと繰り返し述べてきた。アルメニアは昨年、EU加盟プロセスを正式に開始する法律を可決した。