Julia Payne
[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は29日、EUの対中国貿易・投資関係は「持続可能ではない」との見解を示し、急増する中国製輸入品から欧州の産業を守るためのより強力な対応策を講じる意向を表明した。
6月18-19日のEU首脳会議を控え、欧州委ではさまざまな対策が検討されている。これらには域内企業に対するサプライチェーンの多様化の義務付けや、化学、金属、クリーンエネルギー技術分野における中国のEU市場へのアクセスを抑制するための新たな貿易メカニズムの導入などが含まれる可能性がある。
欧州委は「経済的利益と安全保障上の利益がかつてないほど絡み合っている中で、双方の側面においてより強固で一貫した対応が必要となる」と述べた。
ただこのような対応に向けた具体的な提案は、今年の第3・四半期まで発表されない見通しだ。
欧州各国は、2000年代初頭にピークに達し、自国の産業上のノウハウや拠点を枯渇させた中国へのオフショアリング(生産拠点の海外移転)の流れを逆転させようとしている。
これに対して中国商務省は30日、欧州は世界貿易機関(WTO)の規則を遵守し、自由貿易と公正な競争を維持するとともに、保護貿易主義と単独行動主義に断固反対すべきだと主張。オンライン上の声明では「もしEUが一方的に新たな貿易手段を導入し、差別的な制限を課すことに固執するなら、中国は断固として対抗措置を講じ、自国の利益を守るために効果的な措置を採用する」とけん制した。
主要7カ国(G7)も6月中旬の首脳会議で貿易不均衡と過剰生産能力の問題に取り組む予定。これは防衛、ハイテク、エネルギー、自動車産業などの分野に不可欠なレアアース(希土類)やその他の金属において、中国が支配力を強めていることを受けた動きだ。
トランプ米大統領が「米国第一主義」を掲げる中で、EUも今年初めに域内での重要鉱物サプライチェーンの構築を加速させるための新たな「バイ・ヨーロピアン(欧州製品購入)」政策と「リソースEU」を提案した。これには、中央アジアからオーストラリア、ブラジルに至る資源豊富な国々とのパートナーシップの強化も含まれている。
欧州の産業界は、高いエネルギーコストや厳しい規制に制約されており、米国の競合他社よりも直面する環境は厳しい。
欧州委のセジュルネ上級副委員長は、特定の企業や原材料をターゲットにするのではなく、輸入関税や割り当てなどの既存の貿易手段を全セクターで「より体系的に」活用したいとの考えを示した。
これまでEUは中国製品の輸入抑制を試みてきたが、必ずしも成果が出ているとは言えない。例えば多額の補助金を受けている中国製電気自動車(EV)に関税を課したものの、ハイブリッド車(HV)は対象外で、今年のこれまでの新車登録台数のうちHVが約40%を占めており、欧州における中国車の市場シェアは上昇し続けている。
欧州委はより強硬な姿勢を採ることに意欲的だが、主要な法案を通過させるためにはフランスとドイツの間の意見の相違を調整する必要もある。