Marcela Ayres
[ブラジリア 29日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が29日発表した2026年第1・四半期(1―3月)の国内総生産(GDP)は前期比で1.1%増となり、ロイターがまとめたエコノミストの市場予想の1.0%増を上回った。堅調な個人消費と投資拡大が成長を支えた一方、労働市場の逼迫と政府による景気刺激策を背景に、追加利下げの見通しには不透明感が強まっている。
25年後半の前期比GDP成長率の改定値は第3・四半期が0.1%、第4・四半期が0.3%と低かったが、26年第1・四半期に加速した。前年比は1.8%増となり、市場予想と一致した。
需要面では、成長の主力である個人消費は前期比1.0%増加。中所得層向け所得税非課税枠の拡大や最低賃金の実質引き上げなど、可処分所得を増やす政府政策が奏功した。最低賃金引き上げは各種社会保障給付や年金支給額の増加にもつながった。
設備投資などを示す総固定資本形成が3.5%増と大きな伸びを示し、政府支出も0.4%増加した。
供給面では、大豆の豊作を背景に農業生産が前期比2.0%増と好調だった。鉱業など採掘部門の拡大に支えられ、工業生産も1.0%増加。サービス部門は0.5%増だった。
バンコBVのチーフエコノミスト、ロベルト・パドヴァーニ氏は、今回の統計は今年の成長率が2%程度に達する可能性を示しており、世界的なショックの中でもブラジル経済が高い耐久力を示しているとの見方を示した。一方で、この勢いが持続可能かどうかについては疑問も残ると分析。「今回の景気回復を支えている要因の一つは財政・準財政刺激策だが、これは中央銀行の物価安定という使命とは逆方向に働く。そのため、金利はより長期間高水準に据え置かれる可能性がある」と述べた。
左派のルラ大統領は10月の大統領選で再選を目指しており、消費を後押しする政策を相次いで打ち出している。
ブラジル中央銀行は直近2回の金融政策決定会合で、それぞれ25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、主要政策金利は14.5%となった。しかし年間インフレ率は4.64%と、目標の3%を大きく上回っており、金利は引き続き引き締め的な水準にある。
さらに、イラン情勢によるインフレ押し上げの流れが明らかになるにつれ、エコノミストらは追加利下げ予想を徐々に後退させている。