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Greg Torode
[シンガポール 30日 ロイター] - ベトナムの最高指導者、トー・ラム共産党書記長兼国家主席は29日、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)が開催されているシンガポールでロイターのインタビューに応じ、米国との関係も重要だが、巨大な隣国で領有権問題を抱える中国との強力な関係は地域の平和と安全に有益との見解を示した。
ラム氏は「われわれはどちらか一方の側につくことはない」と語った。
南シナ海の全体でく領有権問題の解決を図ることと、中国との関係強化を追求することに矛盾はないとし、「良好な関係と対話を維持できれば、すべての意見の相違は解決できる」と述べた。
「中国と良好な関係を築くこと、わが国の主権を守ること、東海(南シナ海)の諸問題を解決することは、相互に補強し合うものであり、相互に排他的なものではない」とし、国際法、特に国連海洋法条約に基づく紛争解決を目指すという従来の立場を改めて示した。
<ベトナムの「竹外交」>
ベトナムはこれまで特定の国にくみせず、国の利益を主眼に情勢に応じて柔軟に対応する「竹外交」戦略を取ってきた。ラム氏の発言にもそれがにじみ出た。
同氏は米中間の競争を「客観的な現実」と表現。「われわれは安全保障のレンズを通して大国との関係にアプローチすることはない」とし、「不可欠かつ重要な問題に共同で取り組めるよう、主要国とは良好な関係を築く必要がある」と述べた。
インタビュー前にシャングリラ会合で行った講演では、世界が直面している課題として、国際的な規則や法律の形骸化、成長減速や気候変動を含む開発モデルの危機、国家間の信頼の危機を挙げた。「今日直面している3つの危機は、受け入れざるを得ない不可避の現実ではない」と述べ、国際法の強化、包摂的で持続可能な成長エンジンの確立、対話の開始と透明性を呼びかけた。
<野心的な成長目標「達成する」>
ラム氏は、国家主席を兼任することにより外交の表舞台に立つようになった。専門家からは、権限の集中で、一党独裁体制が権威主義に傾く可能性があるとの指摘がある一方で、意思決定が迅速化するとの声も出ている。
ベトナムは2045年までに完全な先進国・高所得国になることを目指し、科学・技術の振興、デジタルトランスフォーメーションを推進する。26年の国内総生産(GDP)成長率目標を10%とし、今後数年間は2桁の成長を想定している。
ラム氏はインタビューで、指導部は成長目標が「野心的で極めて困難」であると認識しているが、達成する決意だと語った。
イラン危機の影響やその他の逆風により目標を修正する必要があるかとの質問に対し、課題はあるものの核心的な目標は「依然として手の届く範囲」にあるとし、「目標を下方修正することはない」と述べた。
「他に道はないと信じている。もし目標を達成できなければ、われわれが自国に設定したより広範な発展の熱望が実現しない」と語った。