いよいよ今年のクリスマスも数日後に迫ってきました。そして、明日1221日は冬至です(日本ではもう日付またいで今日ですね)。

我が家も丸太や切り株、または薪を模したフランス発祥のクリスマスケーキ、ビュッシュ・ド・ノエルを昨日パティスリーへ予約注文しに行きました。4人分のビュッシュをオーダーしましたが、我が家は2人きりなので、クリスマスイヴに受け取りに行って、翌日と合わせて2日がかりで楽しもうと思っています。

ビュッシュ・ド・ノエル - クリスマスと冬至との意外な関係

このビュッシュ・ド・ノエル、実はクリスマスの習慣が始まる以前からある、古代北欧で行われていた冬至を祝う「ユール」というお祭りがルーツです。一年のうちで最も暗くなる冬至の頃、太陽の再生を祈るために何日にもわたって宴会を開き、焚き木をして雄豚を丸焼きにして、それを北欧神話の神々に生贄として捧げていたとか。そういう祝いの行事をすることで一年中無病息災で暮らせるだったり、焚き木で燃え残った灰が向こう一年の厄除けになる、という言い伝えが生まれたのだそうです。

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キリスト教がその風習を取り入れ、1225日に定めたキリスト誕生を祝って、幼い救世主を暖めて守るため、夜通し暖炉に薪をくべて燃やすようになり、その風習を残そうとしたパリのパティシエが「クリスマスの薪」として丸太を象って作ったのがビュッシュ・ド・ノエルとなったのでした。

日本にも冬至にはカボチャを食べ、ゆず湯に入ったりする風習がありますが、宗教的な意味合いや経緯は違っても、厄除けの目的だったり、健康で長い冬を乗り切る知恵だったりは同じですね。

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ブリュッセル市が呼びかける手作りの灯りの演出

さて、その明日21日の冬至当日、ここベルギー・ブリュッセルでは19の区がそれぞれ非営利団体と協力し、一年で一番暗い夜を日没後の午後5時から10時まで家の窓周りを明るく照らそう!というキャンペーンを展開中です。フランス語で"voir la lumière"、オランダ語で "t'lichtzien"「灯りを見よう!」と題したこのキャンペーン、コロナで各種イベントが中止となり、自由に外に出掛けたり、大勢で集まったり出来ない状況の中、せめて窓辺を明るく灯し、近隣の住民と連帯を感じようというのが目的です。

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非営利団体の Patrimoine à Roulettes が作成した 小冊子をダウンロード すると、オリジナリティー溢れる遊びゴコロをくすぐるアイデアがいくつも紹介されていて、特別な材料を使うことなく、家の中にあるもので光や色、影などを生み出すヒントが詰まっています。 いくつかYouTubeでも紹介されてもいるので動画をUPしておきますね。

メキシコの切り絵 パペル・ピカード風

クリスマスイルミネーションのように、必ずしもお店で売っているような派手で豪華な電飾を新しく買ってきて飾り付ける必要はないのです。

アルミホイルを使ったもの

ペットボトルを工作したもの

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ロックダウン中の孤独対策の側面も

コロナウイルス感染を拡大させないため、出来るだけ他人との接触を避けるよう家に籠ることが推奨され、それがもはや当たり前となってしまっていますが、それによりここベルギーでも隣近所と付き合いのない一人暮らしの老人や若者を中心に孤独・孤立が問題となっていて、今回のキャンペーンはそうした孤独対策への取り組みの側面も持っています。春のロックダウンの際にも、最前線でコロナと闘ってくれた医療従事者に対して、毎晩8時に拍手を送るというムーブメントがありましたが、あの時も拍手やBravo!!の声が通りに鳴り響き、住民同士の励まし合いや束の間の繋がりを感じることの出来る時間でした。

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また、クリスマス当日や前後数日間はロックダウンの規制を緩和して例外的に10名までは集まれるとか、2家族までは一緒に祝えるという、周辺国に倣った措置も期待されましたが、ベルギー政府は当初の方針どおり(『withコロナ時代のクリスマスパーティーはどうなる?』)、同居する家族がいる場合にはもう1人を、シングル生活の人は同時に2人まで家に招き入れることが出来るという、ごく少人数でのクリスマスを過ごすよう改めて国民に要請しました。

本来なら大勢でワイワイ楽しく集うクリスマスの時期、近所の窓から漏れてくる灯りを通じて、一人でも多くの人に温もりを届けて、コロナ禍という「暗く長いトンネル」の先に一筋の光明が差し込むことを願いたいですね。