World Voice のサイトも立ち上がりから2ヶ月あまりが経過しました。編集部から11・12月の共通の特集テーマとして「コロナのクリスマス」を設定する旨が来ましたので、今回より一部 LGBTQI 事情から離れた記事を配信していきたいと思いますので、世界に散らばる他の World Voice メンバーの投稿とあわせてお読みいただけたらと思っています。
ベルギーにおける第2波の状況、日本とは比べ物にならないレベルの感染
コロナ第2波が猛威を振るっているヨーロッパ。その中でも人口当たりの感染率で最悪レベル集団に居るベルギーは、11月2日より6週間に渡る2度目のロックダウンに踏み切りました。それに先立ち、何とか経済との両立を模索する政府は、より緩やかな制限となる"部分的"ロックダウンを10月19日から導入済みでしたが、その時点で既に一日当たりの新規感染者数は1万人を超えていました。人口約1100万の小国ベルギーにして1万人というのは、その11倍以上の日本に当てはめると、実に毎日11万人以上が感染している計算になります。その数字は10月末には22000人(500人に1人の割合)を突破しピークに。その後は8日毎に半数になる割合で急速にピークアウトし、現在統計が出ている11月3日~9日の平均感染者数は7000名を割り込んで、このペースで順調にいけば、1ヶ月後に一日当たりの新規感染者数は1000人未満という見立てがなされています。この1000人という数字は、第2波が始まったばかりの9月上旬と同じレベルで、約3ヶ月を要する計算になります。数日前には、入院患者数も急増、一部の地域ではコロナ用病床、及び集中治療室の占有率も満杯に達したところも。患者を隣国ドイツに移送、医療従事者の足りなくなった病院では医師や看護師でコロナ感染していても勤務、国防軍の隊員が助手に駆り出させるなど、医療崩壊寸前の状況まで達した地域もありました。幸いこちらも最悪の状況を脱しつつあり、ホッと胸を撫で下ろしています。一日当たりの死亡者数の平均は直近のデータで200人弱となっていて、死亡率は他の各数値と比べるとそこまで高いとは言えない状況と言えます(ただし最大で345人の日も)。
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ロックダウンの行動制限の中身
日本でもだいぶ報道がされてはいるので、ご存知の方々もいらっしゃるかもしれませんが、今回のロックダウンの主な行動制限の内容を少し詳しくおさらいしておきます。
・レストラン、カフェ、バーなど飲食店の営業停止(テイクアウト、デリバリー除く)。ホテルのレストランも閉鎖。宿泊客はルームサービスでの飲食のみ。
・午後10時以降の夜間外出禁止
上記2項目は"部分的"ロックダウンにより10月中旬より実施開始されていました。
・同居する家族以外に至近距離での接触が許される人数が1名のみ、独り暮らしの人の場合は2名まで可能(ただし、同時に2名は許可されない)。
*近しい接触:マスクなしで近距離で接することの出来る人、ハグやビズなども許可、家に招き入れることが出来る人
・屋外ではソーシャルディスタンシングを保ち、同居する家族以外の4人まで会ったり運動したり出来る。
・買い物は一人で。スーパーマーケットでは必需品以外の物品を販売してはいけない。おもちゃコーナーのある書店などでも同様で、本や文房具以外の販売は禁止。
*前回は細かい規定がなく、一部の店舗で必需品以外も販売され、営業停止となった他の業態の商業施設との不正競争に繋がったとされている。
・美容師など顧客との接触がある仕事は営業停止
・テレワークが原則義務化(無理な業種、職種は安全措置を取っての勤務)

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クリスマスは家族、親戚、友人同士で集まれるのか?
そして、2度目のロックダウン発動が発表されてから2週間が経過した本日11月13日(金)、政府より追加も緩和もなく、期間も12月13日までと見直しをせず、現行の制限措置を続行する旨が発表されました。
すると気になってくるのが、クリスマス時期の行動様式です。
上記でお伝えした11月からのロックダウンのトップ項目「同居する家族以外に至近距離での接触が許される人数が1名のみ、独り暮らしの人の場合は2名まで可能(ただし、同時に2名は許可されない)」が継続された場合、伝統的に大家族や友達同士大勢で祝うクリスマスはどうなっちゃうのか?という問題が人々の中で浮上しています。
そんな中、先日新型コロナウイルスに感染し、集中治療室で治療を受けたウィルメス副首相、兼外務大臣(前首相)を新内閣に擁する連立与党の一角、新自由主義中道右派政党・改革運動(MR)の党首が「Skype(ビデオ通話)でなんてクリスマスを祝いたくないですよね?」と発言し、家族や友人間の訪問に関する制限項目に関して、一時的に解除し3〜4人程度の来客を例外的に認めるよう政府に強く求めたのでした。

感染状況次第では、画面越しのパーティーもあり得る? Ivan Pantic-iStock
それに対し、10月に新しく就任したドゥ=クロー・ベルギー首相は年末のクリスマス時期の過ごし方について、専門家の意向も踏まえ「今年の年末のお祝いは昨年と同じようにはいかないでしょう」と述べて、大家族や親戚、または親しい友達同士が集まってのパーティーは論外であるとの見方を示しました。現時点で具体的な措置はまだ決まっていませんが、親しい家族同士や3〜4人で過ごすクリスマスの可能性を残している段階です。
ヨーロッパのクリスマスは、日本のお正月のように一族が一同に揃って家族だけで過ごしますが、今年はそれは叶わないでしょう。

また、ロックダウン期間中に当たる12月6日はベルギーはじめ多くの国でサン・ニコラの日のお祝いも控えています。この日は聖人サン・ニコラ(アメリカや日本でのサンタクロースとは似て非なる存在)が前日の夜中から夜明け前にかけて、お菓子やプレゼントを持ってくるのですが、子供達にとってはクリスマスと同様に、いやそれ以上に楽しみにしている日でもあります。
さて、これらヨーロッパ人にとって家族揃っての年中行事の中でも最も大切なイベントが続くクリスマス時期のことなだけに、しばらくは国民の関心の目が一心に向けられることになりそうです。