新しい*Dpcmが出た後、コンテ首相が今年のクリスマスについて触れた。
「クリスマスにはルールを尊重する必要があります、なので、パーティー、ディナー、ダンスは無くなります。しかし、感染拡大を抑え安心してクリスマスを迎えることができれば、より経済的な安心感を得る事ができるでしょう。」
と首相は述べた。
イタリアの各地で、毎年恒例の市内で行われている伝統的なクリスマスマーケットを今年は全国すべて禁止される。通常ならば、12月8日からクリスマスホリデーの期間中は、広場や大きなメイン通りを活気付けていたクリスマスマーケットの屋台は、今年はどこにも無い。
自治体は多くの人が集まるような集会を避け、代替の解決策となるソリューションを考えているだろう。
おそらく、広場に巨大クリスマスツリーが飾られるだけであろう。

去年2019 年のミラノドゥオーモ広場のクリスマスツリー(筆者撮影)
| 孤独なクリスマスではありませんが、制限はあります。
ラ・スタンパとのインタビューで、保健次官のサンドラ・ザンパが、クリスマスに関する規定があることを発表した。
それは、
「孤独なクリスマスであってはならないが、家族は小さな核、第1級の親と子、(日本の一親等:父母・配偶者の父母・子・配偶者の子)第2級(日本の2親等の兄弟姉妹)までは集まることができる」という具体的な規定であった。
| イタリアはカトリック総本山があるキリスト教の国
クリスマスは救い主イエスキリストの降誕を祝う降臨祭であり、一年のうちで最も大切な伝統的宗教行事の日である。
イタリア語ではクリスマスの事を 「誕生の、出生の」という意味のNATALE(ナターレ)と言い、ラテン語のnatāle「生まれた」が語源である。伊語でNascere(ナッシェレ)「生まれる」という動詞で、まさにイエス・キリストの生誕をお祝いする日を意味する。
夜になると家族で教会のミサに出かける。
雰囲気で言うと日本の大晦日から元旦にかけては家族と家で過ごし、除夜の鐘を聴きながら年越しそばを食べ、お寺さんや神社へお参りに行き、新年も初詣に出かけたり、お雑煮やおせちを食べ、静かに厳かに過ごす・・・。あの感じがイタリアのクリスマスにあたる。クリスマス前夜は魚料理を食べ、クリスマスの日は七面鳥などの肉料理を食べるのが一般的。
つまり、日本のクリスマスと正月を逆転させた感じがイタリアである。
イタリア人の年末年始の過ごし方は、日本のクリスマスと似ていて、ド派手にカウントダウンパーティーに出かけ、友人や恋人と過ごす。深夜までレストランやジェラテリアやディスコやクラブは営業している。今年は、それがすべて禁止である。
日本では、クリスマスにクリスチャンでない人達でも、プレゼントを交換したり、ケーキやフライドチキンを食べたり、友達やカップルと過ごす冬の一大イベントという商業的な行事として定着している。
イタリアでは神聖な宗教行事なので、クリスマスにカップルや友達と過ごすことはまずない。
都会で仕事をしている人も学生も故郷へ帰り、家族と一緒に過ごすのが文化風習である。
外食ができるレストランやプレゼントが買えるお店やスーパーマーケットなんて1つも開いていない。
キリスト教は、1年で一番大事なこの日に商売・金稼ぎをするなど考えられない行為で、イタリアでは御法度になる。
もちろん、どの店も閉まっている。観光地もチケット売り場も閉まっている。自然以外に何も見学できる場所などない、コロナ禍じゃなくても閉まっている。
「汝、働くべからず」であり、絶対に働いてはいけない。クリスチャンであるイタリア人が仕事をしているという事は、まずあり得ない。
日本では飲食店や宿泊施設は書き入れ時で、クリスマスはどこも開店営業しているのが通常である。
日本人にとってはそれが当然だと思っている。
また、さぞキリスト教の本場のイタリアでは派手なクリスマスイベントをしているのだろうと、間違った先入観と期待を持って、わざわざこの時期を選んで飛行機に乗り、イタリアに来る日本人観光客が多くいる。
しかし、24日から26日の聖ステファノの日(この日もイタリアは祝日)で、観光スポットや美術館や博物館、特にレストランやお店はどこも閉まっているので、この3日間の食べ物を調達するのに大変苦労している人たちが非常に多くいる。
「クリスマスなのに食べる物がない、飢えを凌ぐにはどうしたら良いか、どこか開いているイタリアンレストランはないだろうか」という問い合わせや質問が、毎年恒例、私の元に届く。
結論から言うと、
イタリアって国に、クリスマス時期に観光で来たら悲惨な目に遭う
質問と問い合わせの回答としては、
キリスト教でない異教徒の方達は、通常営業している。
中華料理店とケバブ屋さんと中近東出身の方達がやっているピッツェリアはクリスマスでも開いている。
マクドナルドが12月25日に営業しているかどうかを検索サイトで調べる外国人観光客も多い。
頼みの綱は、世界のマクドナルド様!食べる物に困った時は、とりあえずマクドナルドに行けば良い。
イタリアでもマクドナルドはクリスマスでも開いているのだ。
働いているスタッフはキリスト教ではない方達のみで、クリスマスは夜通し頑張って回している。
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| ロンバルディアのクリスマスに30万人の貧しい人々はクリスマスに食べ物をもらえない可能性あり
ロンバルディア州には30万人以上の貧しい人々がいて、コロナウイルスの感染状況が悪化しているため、今年はクリスマスにみな食堂に集まり、生誕祭を祝い、感謝しながら食事をする恒例の会が出来ない。
最新の*Dpcmの公布後に作成された地域ボランティア協会の推定では、
とりわけ食品パッケージの配布と支援要請は、全国レベルで最大40%増加するだろうとしている。
その貧困な人の内9%がロンバルディア 州にいるという。
2020年秋、貧困層の中には、農民組合の人が目立った。
職を失った人々、ロックダウンによってやむを得ず店舗を閉鎖しなければならなくなった小さな商店や職人、また、特定の助成金や援助の恩恵を受けていない地下で雇用されている人々がいる。
多くの臨時労働者や季節労働者たちに当てる貯蓄などなく、その人達へ支払われる賃金は確保されていない。
パンデミックが始まり、これまでにこのような問題や生活条件を経験したことがない人々や家系が圧迫している家族もいる。
需要を満たすために協会は言う
「イタリアが直面している前例のない社会的緊急事態に対し、再起動命令では最貧の家族を救うため、重要なリソースが割り当てられた。食品をできるだけ早く購入し、利用できるようにする必要性に直面している」
と。
高品質の200万kgの果物、野菜、チーズ、塩漬け肉、パスタ、イタリアントマト、小麦粉、ワイン、オイル、缶詰食品を集めてイタリア全土の貧しい人々に寄付をするカンパーニャアミカの農民の「一時停止支出」など、いくつかの連帯イニシアチブはすでに活発になってきている。
| 伝統菓子職人にとってのクリスマス商戦は8月に既に始まっている
イタリアでは、クリスマスに伝統菓子であるパネットーネやパンドーロという手作り菓子をクリスマスの4週間前の待降節の期間に、お世話になった人や職場の人や友人や親戚に配って回る。
このミラノが発祥の地とされる伝統的な発酵菓子は、クリスマス時期にずっと食べる定番の菓子パンであり、はっきり言って私は好きではない。毎年ながら、毎日パネットーネを朝食や食後に切り分けて食べさせられるので、飽き飽きとする。パサパサで美味しいとは決して思わない。

イタリア人が海や山を楽しんでいる間、お祝いの休暇部門という部署では、何千人もの従業員が夏の真ん中に働いている。
7万8千トンのパネットーネとパンドーロ、その他のクリスマススイーツ(その約半分は大規模な流通で販売される)を大量生産している。
真夏にも関わらず、会社は最初にパネットーネとパンドーロを生産するためにオーブンをオンにする。
それらはなぜ8月にするかというと、海外へ輸出するためである。
クリスマスに間に合うように、コンテナ船での長い航海と複雑な通関手続きのルートをかい潜り、シドニーにある支店に到着させる。
今では、ニューヨーク、サンパウロ、東京へも輸出されている。イタリアのジェノバ港から東京港へコンテナ船で発送する場合、香港経由で通常ならば39日から45日間前後で到着する。45日以上も湿気の多い船底で送られてくる食品、腐らないのだろうか、どれだけ添加物が入っているんだろう、そう思うだけであまり食べたいと思わなくなるだろう。
実際、輸出はクリスマススイーツの生産者にとって、特にパネットーネはますます重要なアイテムとなっている。
今日では製品の約9%が海外輸出用である。このパネットーネだけは、Covid19の影響を受けていないのは確かだ。
海外でのパネットーネの売上高は何年にもわたって成長を続けており、2020年は更に需要は高まり、受注数も前向きな傾向であるという。
アニバーサリーデザートの2番目のライバルであるパネットーネ MAINA社(マイナ社)のCEOであるマルコ・ブランダーニ氏によると、
「英国市場は私たちにとって最大のマーケットで、パネットーネの売上高が1億400万ユーロあり、毎年好調で満足している。
ここ数年、小売業者はクリスマス広告のメインイメージとしてパネットーネを選んでいるのも事実である。
また、低脂肪、グルテンフリー、糖質ゼロ、甘さ控えめ、無糖、などをいう謳い文句を掲げた食品は69億ドルの価値がある。
"サプライズ効果"はイタリアでも重要である。販売されている製品の4分の1はノベルティ物であるので、多くの場合はクリスマスにしか持続しない。しかし、クリスマスが終わってもスーパーフルーツ、ラクトースフリー、グルテンフリーなどは、現在の食品トレンドを捉えている。
(2019年は前年比より+ 8%)。今年もこのクリスマス商戦キャンペーンでもそれが通用するかどうかは全くもって不明であるが、今年もサプライズ効果をふんだんに盛り込んだ商品を考えている。」
という。
注釈
*DPCM:イタリアの首相の正式名称(presidente del Consiglio dei ministri) 閣僚評議会議長の布告(decreto)の略。