|「違法な雇用」caporalatoカポララート
正規の手続きを取らず外国人労働者を雇用する、いわゆる「ヤミ労働」がイタリアで横行している。
イタリア人が低賃金・重労働のため敬遠する仕事で、イタリア人との競合がないため比較的容易に職に就ける点から、東欧圏からの外国人労働者が仕事を求め、たくさん渡ってくる。
過度の労働条件を受け入れることを余儀なくされた農業労働者たち。国籍で多いのは、ルーマニア人(約14万人)で、以下ウクライナ人、モロッコ人、アルバニア人と続く。
コロナウイルスにより農場労働者が逃亡し、イタリアの農業にとって深刻な問題。イタリアで雇用されている農業労働者の内訳は107.591人のルーマニア人で、次いで35.013人のモロッコ人と34.043人のインド人アルバニア人(32.264)セネガル人(14.165)ポーランド人(13134)https://t.co/EXWtS0ylsO
-- ヴィズマーラ恵子イタリア在住 (@vismoglie) February 28, 2020
イタリアにはCGIL、CISL、UILという3大労働組合があり、外国人労働者の一部を組織化していて、その内のCGILの報告によると、ミラノの田舎は深刻な闇労働問題があるという。
イタリアの外国人労働では不法労働が多いという問題点、そして、この不法労働者は労働契約を結んでいないで労働を行っており、一般の労働者よりも低い賃金で就労している。もちろん外国人労働者は社会保障システムそのものから除外されているので、一切の保障はない。CGILは、
「残念ながら、私たちはこの種の状況が明るみになり、問題が爆発するかもしれないと感じていました。南部の田舎では外国人労働者搾取が、そんなに現実的には問題にならないと思われることがよくあります。労働者たちは恐喝されており恐怖を感じているので、彼らの証言から違法性を明らかにすることは容易ではないという現状もあります。カッシーナ・デ・ペッキの農場の件については、私たちはすべての雇用主とミラノで確立される法的仕事のネットワークのために日々戦っています」
と結論付けた。
| ミラノ郊外のカッシーナデペッキの農場が摘発された
財務警察 (Guardia di Finanza) が抜き打ちで、カッシーナデペッキの農場を捜査した際、外国から季節労働者は、1日9時間を超えたシフトで重労働を強いられていた。報酬額も低賃金で時給4.50ユーロ(約560円)、十分な衛生設備がなく、トイレ休憩を含む休憩時間も無し。農作業に入る前のプローヴァ(職業訓練・実施テスト期間)なしに到着後直ぐに労働させていた。Covid-19に関する保護具は与えられておらず健康面で深刻なリスクにさらされていた。労働者が従わなかった場合、条件違反を理由に即解雇をすると脅していた。
これらが、ミラノ郊外の農場で雇用されている約100人の労働者の状態であった。
会社の従業員の雇用と給与の異常、および農業労働者の雇用を管理する規則の重大な違反、更に防火計画と緊急計画の欠如、および除草剤と農薬管理の欠如もあったとし、カッシーナペッキ農場は摘発された。
ミラノの地方司令部財務警察が押収した総額は、750万ユーロ(約9億4000万円)を超え、7人が違法な仲介と労働の搾取の犯罪として報告された。
逮捕されたのは、2人の管理者に加えて、2人の現場監督者、2人の管理従業員、および給与を作成した会社のコンサルタントも含む。
大規模な流通業者に販売される運命にあった食品(炎天下にさらされ放置されていたジャムの瓶数千個)も押収された。
検察庁は、土地と建物を含む53の資産、25の計器用車両、および3つの経常勘定からなる会社のすべての資産の差し押さえを行い、施行されている法律に準拠した事業継続を目的とした司法管理者の指名を命じた。
ミラノ裁判所で検察庁は「体系的で非常に悪質な違法行為は、約100人の搾取された非EU労働者に不利益をもたらしている」という調査結果を明らかにした。
イタリアで正規で働くには、〈次のページ→〉
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| イタリア国内で働くには
労働許可証(autorizzazione al lavoro)
イタリアで働くには労働許可証の取得が必要。管轄の県労働事務所(Direzione Provinciale del Lavoro)にて申請取得する。労働許可証は大きく分けて2種類「自営業者用」と「就職などの被雇用労働者用許可証」
EU圏外からは労働許可証などの証明書類を自国の大使館または領事館に提出、労働ビザの発給を受けなければいけない。
労働ビザには3種類があり
1.従属労働
2.独立労働
3.季節労働
それぞれ滞在期間の上限が定められている(季節労働者は9ヶ月)。2003年に発行された労働ビザ(約8万7,000件)のうち従属労働が9割以上を占める。
臨時雇用については、イタリア政府は2017年6月に労働法を改正し(法律第96/2017号)、臨時雇用の枠組みを定義している。
雇用主は、きちんとした行政手続きを踏まなければならない。
-- 雇用主と臨時雇用労働者は、INPS(イタリア社会保障協会)のウェブサイトに個人情報と雇用条件 (報酬、労働時間、勤務地など)を登録しなければならない。
-- 臨時労働が始まる1時間前までに、雇用主はINPSに通知しなければならず、臨時雇用労働者にも通知しなければならない。この通知は、仕事が中止となった場合も必要とされる。
報酬額に関しては、基本給は時給9ユーロ(約1,130円)である。たとえば1日に4時間働く場合、報酬は少なくとも€36(約4,500円)以上でなければならない。
しかし制限として、農業を営んでいる(退職者および学生など、特定の労働者の範囲を除く)場合、雇用主は、臨時雇用の制度を使用する必要はない。
制度の抜け穴を悪用し、「違法な雇用」カポララートを行っている農業場が全国各地に見られるのが実際の現状である。
滞在許可を持たない外国人を雇用した場合、雇用者は3ヵ月から1年の懲役刑に加え、5,000ユーロ以下の罰金が課せられる。
畑で働く労働者がいない為、作物が危険にさらされている。イタリアに不法移民が約60万人。農業がコロナウイルスのパンデミックによる経済危機と課された閉鎖状況下で、この移民を機能させる。各省の間で「雇用関係宣言」を通じて不法移民の「正規化」を明示的に述べた法案。(現在は草案)
-- ヴィズマーラ恵子イタリア在住 (@vismoglie) April 18, 2020
国土・環境・農業・生産公社長官のジャンカルロ・ヴェントゥリーニ(キリスト教民主党)は、
「7月から9月までの数か月間の大規模な収穫キャンペーンの間は、特に目を見開いて監視し続けなければならない月であり、多数の雇用現象が発生するであろうそれらすべてを報告していくつもりである。パビア県のサンタマリアデッラヴェルサの自治体のラヴェルサワイナリーの前で水と帽子を配り、ブドウの収穫に携わる労働者に情報を提供していこうと思う。」と述べた。
最近では、外国のマフィア組織的による、外国人の不法就労の強制を取り持つブローカーも目立つ。不法滞在者は十分な収入を確保できない場合が多いので、イタリアに入国した後は、やがて他の犯罪に巻き込まれるケースが多いという。
労働搾取を目的とした国際人身売買の形態を理解する事も忘れてはいけない。あらゆる違法行為はそれを握っている権力と利益を生み出すシステムが背後に存在するという事。そして司法的対比(法の整備)を加速させる必要があると思える。
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|ヴェネツィア 国際映画祭 金獅子賞「ノマドランド」
2020年、第77回ベネチア国際映画祭、銀獅子賞(監督賞)を黒沢清監督『スパイの妻』が受賞! 金獅子賞は『Nomadland』https://t.co/Mc1oK6IdDe
-- ヴィズマーラ恵子イタリア在住 (@vismoglie) September 12, 2020
金獅子賞を受賞した『ノマドランド』のストーリーの原作は、2015年に社会正義に関するジャーナリズムのアロンソン賞を受賞した退職後の調査がテーマのジェシカ・ブルーダー氏のノンフィクション書籍『ノマド:漂流する高齢労働者たち』をもとにしたものである。
『ノマドランド』の著者であるジェシカ・ブルーダー氏は、世界的金融危機が米国の労働者たちにどのような影響を調査し、3年の時間と約2万5千㎞もの距離をノマドワーカーたちとともにした。その取材記録を本にまとめたものだ。
米国ではリタイアできないミドルクラスの高齢者が増えている。
映画の物語は、ネバダ州の田舎にある企業の町の経済崩壊の被害者であるファーン(フランシス・マクドーマンド)が夫と地元の工場の労働者としての職を失った後、エンパイアの街を離れ60歳の未亡人が一人でキャンピングカーでノマド(遊牧)生活を送りながら季節労働を探して旅をする物語だ。
高齢者ノマドの人たちは、キャンピングカーで自由で気楽な旅や絶景を求めてまわっているわけではない。仕事が欲しいのだ。ハードな肉体労働できついが、割のいい季節労働をしなければいけない。その仕事を求めてキャンピングカーを走らせている。
知らなかった事を映画を通して知る発見的で見る人の心に直接語るべき映画の1つになるだろうと期待して映画の公開を楽しみにしている。映画を見た後に個人的な感想のレビューをしたいと思う。