新型コロナ第一波~ ベトナムは新型コロナ抑え込みの優等生

Hanoi_Covid19_2.jpg(2020年3月31日筆者撮影)

ベトナムの新型コロナウイルスの第1波(2020年1月23日-4月23日)は政府の徹底した国全体での社会隔離政策で感染者数288名、死者はなんと0名で新型コロナを封じ込める事が出来た。

筆者は新型コロナウイルスの感染拡大の第一波をベトナムの首都ハノイで経験したが、私が見たのは嫌がる国民をベトナム政府が強引に厳しい社会隔離政策を実施したわけじゃなく、厳しい社会隔離を望んで早く新型コロナを封じ込めたいと思っている国民の姿だった。

私が日本語を教えている公立学校のほとんどの父兄も、学校を閉鎖するかどうか政府が会議を開いている時点で、もし学校閉鎖が実施されなくても、絶対に自分の子供は学校に行かせないと決めていた。

国民たちは経済が悪くなったとしても新型コロナウイルスを封じ込める事が先決と考えていたから、政府の厳しい社会隔離政策はむしろ歓迎し、共に戦うつもりでいたように見受けられた。私も政府の厳しい政策に安心を感じ、「ベトナムにいて良かった」と思いました。

なので今回はベトナム国民の政府への評価がとても高かった。

筆者の周りにいるベトナム人も総じて厳しい新型コロナの拡大防止策を取れる自分達の国、ベトナムを誇りに思っているようだった。

当時は周りの多くのベトナム人に「なんで日本は社会隔離をしないの!?早くしないと被害が大きくなるよ!」と多くのベトナム人に言われました。

daotan_20200405.jpg(撮影日2020年4月5日 筆者撮影)

上の画像は2020年4月5日のロッテセンターがあるハノイのダオタン通り。

普段は交通渋滞中のこの道路が、テト(旧正月)でハノイから故郷へ人々が帰った時のように車もバイクも無かった。

筆者もこの当時は週に1-2回スーパーへ食料買い出しに外出するだけだった。まさに不要不急の外出を国民全員が控えていた。

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新型コロナ第二波~ 第二波でもやはりベトナムは優等生なのか?

そしてベトナム政府は2020年4月22日から7月25日まで社会隔離を緩和し、99日間ベトナムは新型コロナを封じ込めた。

その間、国際的な往来の完全復帰は無理だったが、飲食店なども営業を許され、人々はマスクを外し、社会隔離の間我慢していた街での飲食や国内旅行を楽しんだ。

しかし新型コロナを恐れなくて良い日々に終わりが来た。


ベトナム中部の観光地ダナンに新型コロナに感染者した中国人が不法入国したせいで、第二波が始まったんだというウワサ?が広がり始めた頃は、いままで死者がゼロだったベトナムなのに、あっという間に毎日死者が出てしまうまで感染が拡大していた。

中部ダナンから南部の大都市ホーチミンと北部の首都ハノイにまで感染者が広がり、筆者は「また全体隔離が始まる。。。」と思いきや、ベトナムはダナンなどだけ部分的に社会隔離を行い全国規模の社会隔離は行わなく、筆者の読みはハズれた。

ハノイにおいても学校閉鎖もなく、飲食店は客同士の距離を1m間隔で取る事等を条件に開店を許されていた。

tiembun_batoan_hanoi_20200821_1.jpg(2020年8月21日撮影:筆者撮影)tiembun_batoan_hanoi_20200821_2.jpgテーブルにプラスチック板で仕切りをつくる麺料理店。模範的な飲食店だ。ベトナムの飲食店は入口がオープンになっている店が多いからなのか、ここまでやる飲食店は少ししか見受けられなかった。新型コロナ感染拡大防止意識の高いオーナーか?(2020年8月21日撮影:筆者撮影)
さらに筆者は「あぁ、前のように社会隔離をしなかったら日本のように感染がみるみる拡大するな。。。」と予想したんですが、予想はまたハズれ、2020年9月9日までにベトナムの感染者数は1054名、死者35名に抑えて、市内感染者数増加ゼロが6日続いています。

第二波発生から1ヵ月半ほどで市内感染者ゼロの日が続いているんです。

そう、ベトナムは厳しい社会隔離をしなくても、新型コロナ第二波の抑え込みに成功しつつあるんです。

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新型コロナ第二波の時の金曜夜、ハノイのホアンキエム湖。普段は大勢の観光客が押し寄せ歩行者天国を楽しむ人々で賑やかな観光地が地元の人々だけでひっそりとしている。(撮影日 2020年8月14日 撮影:筆者)

night_market_hanoi_20200814_2.jpgここも普段は外国人観光客が押し寄せ賑わう週末に行われるナイトマーケットが、地元のベトナム人だけが来ている。(撮影日 2020年8月14日 撮影:筆者)

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ベトナムの新型コロナ第三波は来るのか?

国際線の再開、国内航空の再開、南部ホーチミンでのバーやクラブなどの営業再開、第二波の発生地ダナンでの飲食店の通常営業再開など、今回は全国規模の社会隔離をせずに第二波の発生から1か月半程度で抑え込みに成功しつつあるベトナム。

しかし、国際線の再開で感染者が入国する可能性はゼロじゃない。しかし海外からの観光客の受け入れを再開しなければ観光業界が確実に崩壊するだろう。しかし受け入れると感染は免れない。。。しかし、しかし。。。と日本人はついネガティブに考えてしまうのが悪い所。

日本政府の新型コロナの感染対策から、日本人は迅速で的確な決断が得意じゃない事が改めて世界中に知られてしまいました。

それに比べて第一波・第二波で迅速・的確な判断でコロナを封じ込めるベトナム。

勇気があり、安心を与えてくれるその対応をベトナムで実際に経験すると、もし第三波が発生した時にも的確な政策で封じ込みをしてくれるだろうという「頼りになる」予感と、どんなアフターコロナの復活策をしてくれるのか?という期待をベトナムにしてしまいます。

人口の平均年齢が30.5才のとても若いベトナム国家。

その新しい思考と行動力でより良いベトナムと世界との関係づくりに期待したいです。

▪️本記事の執筆者・ヨシヒロミウラは、
ベトナムおよび東南アジアを軸に、社会・経済・文化の変化についての考察を
個人サイト yoshihiromiura.comにて継続的に発信しています。