秋になっても日中は暑いほどの日が続き、長い間雨が降らない日々が続いたイタリアの多くの地域で、最近はその分も補おうとするかのように、しばしば雨が降り、時には長い間激しい雨が降り続けることさえあります。おかげで気温も下がり、秋らしい天候となってきました。イタリア中部では、例年、秋や冬には雨の日が多いのです。

 雨の日が続くので、義弟はうれしそうです。十分に雨が降れば、2、3週間後には野山にキノコが育ち、キノコ狩りができるからです。

 2019年などは、8月下旬から雨の日が続いたため、早くも9月初めに、義弟がたくさんのポルチーニ茸を摘んで、わたしたちにも分けてくれました。今年はつい先週までほとんど雨が降らず、例年に比べて暖かい日が続いていたので、「これではキノコが育たない」と義弟はがっかりしていました。

 ポルチーニは、わたしたちも秋に山を歩いていて、見つけたことがあります。

 トスカーナ州のアッペンニーニ山中にあるミケランジェロの生地、カプレーセ・ミケランジェロで催された栗祭りで、生ポルチーニと並んで、乾燥ポルチーニが売られているのを見かけたこともあります。(冒頭の写真)

 ポルチーニ茸の料理と言えば、家でも店でも、ポルチーニのパスタを食べることが多いのですが、レストランには、ポルチーニたっぷりのソースがかかった肉料理や、ポルチーニのリゾット、ポルチーニスープなど、さまざまな料理がありますし、ピザの具にポルチーニ茸が使われている場合もあります。

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ポルチーニソースがかかった牛肉のスカロッピーネ、モリーゼ州イゼルニアのレストランで 2019/7/16 photo: Naoko Ishii

 2019年の秋はまた、ポルチーニよりもおいしく、見つけるのが難しいと言われる貴重なキノコ、セイヨウタマゴタケが、ペルージャでまれに見る豊作だったため、

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摘みたてのセイヨウタマゴタケ 2019/10/2023 photo: Naoko Ishii

義弟がたくさん見つけて、わたしたちにも分けてくれました。

 ハラタケもまた、イタリアの野山でよく見つかるおいしいキノコの一つです。

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ペルージャで秋に採れたハラタケ 2020/10/07 photo: Naoko Ishii

 上の写真は2020年秋に夫が山で見つけたハラタケで、パスタにして食べました。ハラタケはマッシュルームの近縁種なので、味もつくりもよく似ています。

 ちなみに、ポルチーニやハラタケは、標高が高い山は夏も涼しいので、雨がよく降れば、夏から秋にかけての長い期間、採ることができます。

 キノコはおいしい山の幸、秋の幸ではありますが、イタリアでも毎年、毒キノコを食べて食中毒になってしまう人が多く、亡くなってしまう場合さえあります。

 わたしたちの友人にも、ポルチーニ茸を摘んだつもりが実は毒キノコだったという人がいます。幸い命にこそ別状はなかったものの、食べた家族全員が救急病院で大声で叫び続けるという症状が出て、大変だったそうです。この友人も普段からキノコをよく採る人ですし、2012年に家族3人が命を失うこととなった毒キノコを採った女性は、食べられるかどうか不安に思い、料理する前に、何人かの知人に安全かどうかを尋ねたにも関わらず、結局は料理して、彼女と両親が亡くなってしまっています。

 今年10月にも、イタリアではすでにカラブリア州で、毒キノコを食べた家族3人が食中毒になるという事件が発生していますから、キノコはおいしくはありますが、十分に注意をする必要があります。