<人気の3サービスに下った「ネット動画を全面改正せよ」との通達。出演した番組が放送されなかったり消されたりといった実体験を交え、検閲事情をお伝えしよう>
今回は、中国ではお馴染みの「検閲」の話。習近平政権になって検閲が厳しくなったと言われるが、習政権もまもなく5年。最近の検閲事情はどうなっているのか、気になっている人も多いだろう。私の実体験を交えてお伝えしたい。
私は最近、中国での活動が増えている。以前にもこのコラムで紹介したが、中国人の多くが「日本で選挙に出馬した元中国人」に興味津々なのだ。私も民主主義の素晴らしさを伝えたいと願っているので、テレビやネットの番組出演の要請にはできるだけ応えるようにしているが、その前に立ちはだかるのが検閲である。
6月22日、中国政府のメディア統括部門である国家新聞出版広電総局が突然、新浪微博、AcFun、鳳凰網の3サービスに対して、ネット動画業務を全面改正するよう通達を下した。
3サービスは「情報ネット電波動画番組許可証」を保持していないにもかかわらず、大量のネット動画を配信していた。しかも動画には、国家規定に合わない時事政治系や社会に対してネガティブな見方をする評論が含まれていたというのが理由である。
許可証が必要というのも面倒な話ではあるが、ネガティブな社会評論が許されないというのも困った話だ。「諫言、耳に痛し」と言うではないか。私を含め、ジャーナリストが社会批評をする時には手厳しく批判するのが常。褒めたたえるばかりでは批評にならない。
しかし、政府の通達は絶対だ。鳳凰網は時事政治系番組のネット配信を中止してしまった。その1つ、中国ナンバーワンのトーク番組である「鏘鏘3人行」に私は度々ゲスト出演しているのだが、この番組も、私が出演した回を含めすべてのバックナンバーのネット公開を停止した。
せっかく頑張って話した内容が当局のお叱りひとつで存在を抹消されてしまう。中国で言論に携わる者として避けては通れない問題とはいえ、やりきれない気持ちになってしまう。
問題は過去の番組だけではない。私が出演したあるテレビ番組は、収録から1カ月以上が経つがいつまで待っても放送されない。このままお蔵入りになってしまうのだろうか。他にも2本、放送されないネット番組がある。残念だが、ギャラは振り込まれたのでまあよしとするしかないだろうか(笑)。
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