コラム

日本企業の海外進出に注目高まる「グローバルサウス諸国と治安リスク」

2025年02月06日(木)12時41分
日本企業の海外進出に注目高まるグローバルサウス諸国と治安リスク

Edward R -shutterstock-

<グローバルサウスにはテロのリスクを抱える国も少なくない。本稿では特にインドネシア、インド、アフリカ・サヘル地域を取り上げて分析する>

近年、日本企業の間では脱中国依存の動きが広がっていたが、トランプアメリカの誕生によってその保護主義への懸念も広がっている。そして、日本企業のグローバルサウスへの関心が強まっているが、グローバルサウスにはテロのリスクを抱える国が少なくない。

トランプ政権が発足したことで、日本企業の間では当然のようにトランプ関税への懸念が広がっている。現時点で、トランプ大統領はカナダとメキシコからの全ての輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を発表し、日本を含む外国からの輸入品に一律10%から20%の関税をちらつかせている。


日本企業の中にはカナダやメキシコ、中国で作ったモノを米国へ輸出する企業もあり、米国内での生産強化、米国への輸出量削減などを検討する動きも見られる。

そして、トランプ政権が保護主義化を露骨に示す中、中国はそれこそが自由貿易に対する脅威だと訴え、日本に接近を試みている。実際、日中間では最近関係改善に向けた動きが進んでおり、トランプ流保護主義への懸念を共有しているようにも映る。

それも関係してか、海外進出企業に対して地政学リスクの観点からコンサルティング業務に従事する筆者の周辺では、「近年は脱中国依存だったが、米国が保護主義に走っているので、脱中国依存の動きが後退するのでは」と言った声が聞かれる。

しかし、日中の間では尖閣や台湾など懸念事項は何も改善に向かって動いておらず、潜在的リスクは残ったままであり、トランプ流保護主義と日中関係を天秤に掛けて比較衡量するのではなく、別問題としてその動向を注視する必要がある。

プロフィール

和田 大樹

CEO, Strategic Intelligence Inc. / 代表取締役社長
専門分野は国際安全保障論、国際テロリズム論、経済安全保障、地政学リスクなど。海外研究機関や国内の大学で特任教授や非常勤講師を兼務。また、国内外の企業に対して地政学リスク分野で情報提供を行うインテリジェンス会社の代表を務める。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏、トランプ氏の「平和評議会」に当面不参加 国連憲

ワールド

米ロ・ウクライナが三者会合、UAEで23─24日=

ワールド

トランプ氏、グリーンランド合意の詳細交渉中 支払い

ワールド

ハセット氏、次期FRB議長に「独立した人物」を 責
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 6
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 7
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story