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「132部局、職員7000人」トランプの国務省大改革で消えるあの部局、あのポスト

2025年4月29日(火)15時30分
アレクサンドラ・シャープ(フォーリン・ポリシー誌記者)
ルビオ米国務長官

現状の国務省は「使命を果たすことができない」とルビオ米国務長官は述べたが…… GRAEME SLOANーSIPA USAーREUTERS

<「肥大化し、官僚体質が蔓延」と、国務省の大規模な組織改編計画が発表された。中国とロシアはこの現状に付け込もうとするだろう。何が廃止され、どんな影響が及ぶのか>

4月22日、トランプ米政権が国務省の大規模な組織改編計画を発表した。国内の132の部局が廃止、ワシントンで働く国務省職員が約700人削減、世界で平和や民主主義を促進することを目指すプログラムの数々が打ち切られる見通しだ。

「現状の国務省は肥大化し、官僚体質が蔓延していて、新しい大国間競争の時代において不可欠な外交上の使命を果たすことができない」と、ルビオ国務長官は「X」(旧ツイッター)で述べた。

4月22日のルビオのX(旧ツイッター)投稿


今年1月にドナルド・トランプが米大統領に返り咲くと、同政権の下でDEI(多様性・公平性・包摂性)関連のプログラムなど、いわゆるリベラルな「意識高い系」の取り組みと見なされた政策が次々と打ち切られてきた。

そのような姿勢は、国務省の組織改編計画でも貫かれているようだ。基本的人権と民主主義の増進を世界規模で推進する役割を担ってきた民間安全保障・民主主義・人権担当国務次官のポストも廃止対象になっている。

この次官職が監督していた部局の中では、例えばグローバル刑事司法局(戦争犯罪の責任追及を行う)と紛争安定化司令室(戦争の予防を目指す)は廃止になり、人口・難民・移民局や民主主義・人権・労働局は、新設される部局に統合される。

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