最新記事
韓国

韓国の政治は、なぜ「大混乱」を繰り返すのか...大統領の「帝王的」権力が変わらない理由

KOREA’S IMPERIAL PRESIDENCY

2025年3月20日(木)16時57分
イ・ユンウ(ジャーナリスト)
尹錫悦大統領のクーデターが示した帝王的権力

「内乱首魁(しゅかい)」容疑で検察に拘束されていた尹が3月8日に釈放され、支持者に手を振る CHUNG SUNG-JUN/GETTY IMAGES

<尹錫悦大統領による「自作自演クーデター」で韓国の人民は、大統領が一夜にして民主主義を転覆することすら可能だという現実を知った>

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、2021年に大統領選の党公認候補予備選でテレビ討論会に出演したとき、手のひらに「王」という文字を書いていたことが話題になった。

ところが、翌年大統領選に勝利して、大統領官邸を歴史ある青瓦台からソウル市内の別の場所に移すと発表したとき、その理由として挙げたのは、大統領の「帝王的権力」や、それが象徴する「近寄り難い」印象を払拭したいから、だった。


大統領官邸の移転は、費用が莫大に膨れ上がったほか、場所が突然変更になったり、セキュリティー上の問題が浮上したりと大騒動を巻き起こし、国民の大多数は反対した。それでも尹は押し切った。それは韓国の大統領に、まさに帝王的な権限が与えられているからだ。

アメリカの歴史家アーサー・シュレジンガーJr.は、1973年に『帝王的大統領制』(未邦訳)という本を書いたが、そこで描かれているリチャード・ニクソン大統領(当時)の特徴は、尹とよく似ている。

ニクソンと同じように、尹は「人民に権力を与える」のではなく、「大統領に権力を集めた」。メディアを毛嫌いし、行政府を政治色の強い側近で固めて、守秘義務を強いた。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

1月百貨店売上は2.3%増、中国客は3割減=百貨店

ワールド

日銀審議委員候補、高い識見と学識経験で人選=城内経

ワールド

メルツ独首相が訪中、関係深化で李強首相と一致

ビジネス

バイトダンス、企業価値5500億ドルに ゼネラル・
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違…
  • 7
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中