最新記事
ウクライナ情勢

トランプ大統領との関係を修復したウクライナ...「停戦合意」も根本は未解決

2025年3月13日(木)13時35分
ロシア軍の攻撃で破壊されたクリブイリフのホテル

3月12日、 ウクライナは米国が示した30日間の停戦案を受け入れることで当座の重要な目標を達成した。写真はロシア軍の攻撃で破壊されたクリブイリフのホテル。同日撮影(2025年 ロイター/Mykola Synelnykov)

ウクライナは米国が示した30日間の停戦案を受け入れることで当座の重要な目標を達成した。中でも、トランプ米大統領との関係を修復できたことは大きい。しかし、ロシアとの紛争の根本的な問題は今もなお解決を見ていない。

米政府は11日、サウジアラビアのジッダで行われた8時間余りに及ぶ協議後、ウクライナへの軍事支援や機密情報の共有を即時再開し、ウクライナは大きな成果を手にした。米国はウクライナの合意した暫定的な停戦案をロシアに示すと発表。実現はロシア次第だとの認識を示し、高まるばかりだったウクライナへの圧力は和らいだ。


 

ウクライナのゼレンスキー大統領の外交顧問を務め、今回の協議にも加わったイーホル・ジョウクヴァ氏によると、ウクライナ代表団は複数の案を用意して協議に臨み、その中には空域と海域に限って停戦する「部分的停戦」案も含まれていた。

ジョウクヴァ氏によると、会談中に米国から広範な停戦の提案があった。ゼレンスキー氏が12日に記者団に語ったところによると、ウクライナ側は協議を一時中断して代表団が指導部と協議し、その後この提案に同意したという。

ジョウクヴァ氏はロイターの電話取材で「われわれにとっては、2つの重要な要素と同時に停戦を進めるという方針について理解を得ることが非常に大事だった。その要素とは軍事支援と情報共有の一時停止の即時解除だった」と振り返った。その上で、米国がこうした一時停止措置を即座に解除したことが今回の会談と共同声明における「最も重要な成果」の一つだとした。

今回の会談について、全体的な雰囲気が「建設的」だったと評価。ウクライナと米国は二国間関係を修復しただけでなく、対等なパートナーとして共同で行動する間柄になったと強調した。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU、自動車排出量規制の最新提案公表を1週間延期 

ビジネス

NY外為市場=米ドル上昇、FOMCに注目 円は地震

ワールド

再送-〔アングル〕日銀、先行き利上げ判断で貸出動向

ワールド

ウクライナ、9日に米と修正和平案共有 欧州首脳との
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中