最新記事
化学物質

「永遠に残る化学物質」をEUが使用禁止計画...消費者製品が対象

2025年1月20日(月)22時01分
欧州連合(EU)欧州委員会のロスウォル委員(環境問題担当)

欧州連合(EU)欧州委員会のロスウォル委員(環境問題担当=写真)はロイターとのインタビューで、「永遠に残る化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)について、消費者製品への使用禁止を提案する意向を示した。昨年11月撮影。(2025 ロイター/Johanna Geron/ File Photo)

欧州連合(EU)欧州委員会のロスウォル委員(環境問題担当)はロイターとのインタビューで、「永遠に残る化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)について、消費者製品への使用禁止を提案する意向を示した。

PFASは自然界で分解されないため、飲料水や人体に蓄積されるとの懸念が浮上している。極端な温度や腐食に耐えられることから、化粧品、フライパンから、航空機、風力発電機など、さまざまな製品に使用されている。


 

同委員は「消費者製品での禁止を検討している」と述べた。

デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンは約2年前にPFASの広範な禁止を支持したが、同委員によると「必要不可欠な」適用除外品を決める必要があるため、EUの提案がまとまるのは早くても来年以降になる見通し。

ぜんそく用の吸入器や電気自動車(EV)などグリーン技術向けの半導体が適用除外品になる可能性があるが、廃棄方法などに関する規制の対象にはなる見通しという。

ジェフリーズのアナリストは、肝障害、出生時の体重低下、精巣がんといった健康問題とPFASの関係を指摘する研究報告が行われており、企業の訴訟リスクになると分析している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米上院、政府閉鎖解消に向けた法案前進

ワールド

ドイツ連銀総裁、AIで発言の「ハト派・タカ派」バラ

ワールド

米、中国造船部門の調査を1年間停止

ワールド

アンデス氷河から30日の船旅、先住民グループがCO
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    「豊尻」施術を無資格で行っていた「お尻レディ」に1…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中