最新記事
パレスチナ

ハマスとファタハが戦闘終結後の計画を協議

2024年10月10日(木)13時43分
イスラエル・ガザ国境付近

パレスチナの治安権限を巡って対立関係にあるイスラム組織ハマスと、アッバス議長が率いる自治政府主流派ファタハの幹部が9日、パレスチナ自治区ガザなどでの戦闘終結後の協力計画に関してカイロで協議した。写真は9月、イスラエル・ガザ国境付近で撮影(2024年 ロイター/Florion Goga)

パレスチナの治安権限を巡って対立関係にあるイスラム組織ハマスと、アッバス議長が率いる自治政府主流派ファタハの幹部が9日、パレスチナ自治区ガザなどでの戦闘終結後の協力計画に関してカイロで協議した。ハマスの関係者がロイターに明らかにした。

ハマスとファタハが協議するのは7月以来。前回、中国で開いた会合では、ガザとイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ統一政府を樹立するための取り決めに関して合意した。


 

ハマスは2007年、ファタハとの戦闘を経てガザを武力制圧した。それ以降、パレスチナは自治政府が部分的に統治するヨルダン川西岸とガザで分裂した状態が続いている。

ハマスの報道官は、代表団は副司令官兼首席交渉官が率いると説明し「会合ではイスラエルのガザ地区への侵攻と、パレスチナの大義が直面する課題が話し合われる」と述べた。

23年10月7日にハマスがイスラエルを急襲したことを受け、イスラエルはガザでハマスを一掃するために軍事作戦を展開。戦闘終結後に関しても、ハマスが治安権限を持つことを認めていない。さらにパレスチナ自治政府の統治能力についても疑問視している。

一方、パレスチナ側は、戦闘集結後の治安権限を巡るイスラエル側からの条件設定は、内政干渉に当たるとして拒否している。

パレスチナの当局者は匿名で、統一政府に関して合意に至らない場合でも、各派は、ガザを運営して国境検問所の管理を支援する委員会を結成しようとする可能性があるとした。ただ、委員会の具体的な仕組みや責任範囲などは明らかになっていないとしている。

エジプトの治安当局者は、エジプトは5月以来閉鎖されているガザとの国境のラファ検問所を管理する仕組みについて合意形成を促していると述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ、金取引の規制検討 「巨額」取引がバーツ高要因

ワールド

米当局、中国DJIなど外国製ドローンの新規承認禁止

ワールド

中国、米国に核軍縮の責任果たすよう要求 米国防総省

ワールド

11月スーパー販売額前年同月比2.8%増、9カ月連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中