最新記事
北朝鮮

北朝鮮、核保有大国への歩み加速へ...敵が攻撃なら核兵器使用も

2024年10月8日(火)14時47分
金正恩総書記

10月8日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、核兵器を保有する軍事大国への歩みを加速させ、敵が攻撃してきた場合には核兵器の使用も辞さないと述べた。平壌で撮影。9月10日、国営の朝鮮中央通信(KCNA)の提供写真(2024年 ロイター)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、核兵器を保有する軍事大国への歩みを加速させ、敵が攻撃してきた場合には核兵器の使用も辞さないと述べた。7日に大学で行った演説内容を国営の朝鮮中央通信(KCNA)が8日報じた。

金氏は、韓国が米国と共謀して地域を不安定化させ、適切な戦略兵器すら保有していないという事実をごまかそうとしていると非難し、韓国の尹錫悦大統領に言及した。金氏が尹氏の名前を挙げるのはここ1週間で2度目。


 

「尹錫悦は演説の中で共和国の終焉について無神経で下品な発言をしたが、これは彼が主君の力に対する盲目的な信仰に完全に取り憑かれていることを示すものだ」と述べた。

金氏は韓国を攻撃する意図はないとした上で、「敵がわが国に対して武力を行使しようとすれば」、北朝鮮軍はあらゆる攻撃手段をためらわずに講じ「核兵器の使用も排除しない」と述べた。「軍事大国と核保有国への道は加速するだろう」とも述べた。

韓国の首都ソウルでは先週、「国軍の日」に合わせて軍事パレードが行われた。尹氏は演説で、北朝鮮が核兵器を使用する日が同国の体制の終わりと発言した。

韓国国防省は国会議員への報告書の中で諜報情報を引用し、北朝鮮が新たな潜水艦を建造している可能性があると述べた。1月には金正恩氏が原子力潜水艦の建造を命じたと報じられている。建造はまだ初期段階にあり、この船が原子力潜水艦であるかどうかは不明だという。

北朝鮮はまた、おそらくロシアの協力を得て、核兵器を搭載できる潜水無人機の開発にも取り組んでいるという。

KCNAは別の報道で、金正恩氏がロシアのプーチン大統領に誕生日の祝電を送ったと伝えた。金氏はプーチン大統領を「最も親しい同志」と呼び、両国間の「戦略的・協力的な関係」を新たなレベルに引き上げると述べたと伝えた。

金氏とプーチン氏は6月に相互防衛協定を含む包括的戦略的パートナーシップを採択している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏の成長は予想上回る、金利水準は適切=ECB

ワールド

米「ゴールデンドーム」計画、政府閉鎖などで大幅遅延

ビジネス

12月米利下げ予想撤回、堅調な雇用統計受け一部機関

ワールド

台湾、日本産食品の輸入規制を全て撤廃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中