最新記事
映画

ボブ・マーリー伝記映画のグリーン監督が大切にした「ボブのスピリチュアリティ」

2024年5月24日(金)11時09分
大橋 希(本誌記者)

newsweekjp_20240524014006.jpg

©2024 PARAMOUNT PICTURES

――個人的に共感できる、印象的な場面は?

好きなシーンはたくさんあるが、一つはリタと喧嘩した後に寝室で「ターン・ユア・ライツ・ダウン・ロウ」という曲を、アコースティックギターで彼女に歌って聴かせるところ。非常に親密で、2人の絆の強さが伝わってくるし、それぞれを演じたキングズリー(・ベンアディル)とラシャーナ(・リンチ)のケミストリーが感じられる素晴らしいシーンだ。

もう一つは、家族とたき火を囲んで「レデンプション・ソング」を歌うところ。こうやって次の世代やその次の世代にメッセージや精神が受け継がれていく、バトンが渡されていくんだなと感じさせてくれる場面だ。この2つが特に強く印象に残っている。

――この映画はずっと以前の物語を描いているが、今の時代へのメッセージも感じられる。

今も戦争が絶えない世界では、確かにこの映画はタイムリーなものではあるかもしれない。ただ私はタイムレスな、つまり時代を超えた作品にしたかった。いつ聞いても、その時代に当てはまるメッセージを発しているボブの歌がそうであるように。

例えば、自分の大好きな映画であるスパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』は当時の社会問題を取り上げているが、今の時代にも当てはまるメッセージが含まれている。素晴らしい映画や音楽には、そうしたタイムレスなところがある。今回の映画もこれからいろいろな人が何度見ても、いつ見てもタイムリーだと感じてもらえるようになったらうれしい。

newsweekjp_20240524014046.jpg

©2024 PARAMOUNT PICTURES

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

金利上昇続くより、日本の成長や債務残高GDP比率低

ワールド

米、中国軍のレーダー照射を批判 「日本への関与揺る

ビジネス

午前の日経平均は反落、FOMC警戒で朝高後に軟化

ビジネス

メタ、「レイバン」メーカー株式少なくとも3%保有 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中