最新記事
人権問題

『生涯を通じて戻らない』 香港民主化運動の「女神」周庭氏、カナダに事実上の亡命を宣言

2023年12月4日(月)12時22分
ロイター
香港の民主活動家、周庭氏と支持者たち

香港の民主活動家、周庭氏(中央)は、自身のインスタグラムでカナダに事実上亡命することを明らかにした。写真は2021年6月、刑期を終えて釈放された同氏(2023年 ロイター/Tyrone Siu)

香港の民主活動家、周庭氏(27)は3日、自身のインスタグラムでカナダに事実上亡命することを明らかにした。カナダへの留学のため既に香港を去っているという周氏は、今月中に香港に戻って当局へ報告する義務があるが、身の安全や健康状態を考えて帰らないと決断。「恐らくは生涯を通じて(香港には)戻らない」と述べた。

2020年11月に無許可デモなどの罪で10カ月の実刑判決を受け、21年6月に出所した後、初めて公式の情報発信を行った形だ。

20年の民主化要求デモで中心となった周氏ら若手活動家の団体は、香港国家安全維持法(国安法)施行直後に解散。数多くの活動家が拘束され、西側諸国の一部は同法が人権弾圧の手段に利用されていると批判した。

周氏はこの3年間、当局からの圧力でうつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)などと診断されたことや、出所後もあくまで保釈身分のままに置かれ、パスポートも管理されていたことを明かした。

またトロントの大学が受け入れに応じてくれた後、今年になって警察がようやくパスポートの返還に同意したものの、海外留学と引き換えに中国本土の「愛国的な」施設などの訪問を強要されたという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

戦場の成果、米との和平協議に「前向きな影響」=ロシ

ビジネス

ユーロ圏のインフレ、今後数カ月は2%前後で推移=ラ

ビジネス

中国人民銀、一部銀行の債券投資調査 利益やリスクに

ワールド

香港大規模火災、死者159人・不明31人 修繕住宅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 5
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 6
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 9
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中