最新記事
ウクライナ情勢

米、ウクライナへの主力戦車「エイブラムス」供与を前倒しへ

2023年3月22日(水)10時20分
ロイター
「M1A1/SA」型のエイブラムス戦車

ウクライナへ供給が予定される「M1A1/SA」型のエイブラムス戦車  armyreco / YouTube

米国防総省はウクライナへの主力戦車「エイブラムス」の供与を早める計画で、今秋にも実現する可能性がある。国防総省当局者が21日、明らかにした。

米バイデン政権は1月、ウクライナにM1エイブラムス戦車31両を供与すると発表。それまでの反対姿勢を撤回し、ウクライナ支援で欧州との結束を鮮明にした。

当局者によると、新規計画の下でウクライナに「M1A1/SA」型のエイブラムス戦車を供与する。ウクライナ軍の大半の戦車と同様にディーゼル燃料で走行でき、この問題に詳しい議会筋によると、この変更により供与までの期間が約1年短縮される。

国防総省のライダー報道官は記者団に対し「ウクライナと緊密に調整し、エイブラムス戦車のM1A1型を供与すると決定した。これにより供与にかかる時間が大幅に短縮され、今秋までにウクライナに届けることができる」と述べた。

国防総省はこれまでウクライナへの戦車供与の具体的な期日は示していなかった。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はCNNに対し「取り組みが行われている」とし、「加速化に向け、プロセスの一部変更が可能だ」と述べた。

議会筋によると、オースティン国防長官が供与を早めるための複数の選択肢を検討し、約1年間短縮するとの決定に至ったという。供与する順序の変更やロシア軍に回収され研究されないよう精密機器を取り除いた戦車の使用などが検討された可能性があるとした。

防衛関連大手ジェネラル・ダイナミクスでは現在、月間で12両のエイブラムスが製造されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国外為当局と年金基金、通貨安定と運用向上の両立目

ワールド

香港長官、中国の対日政策を支持 状況注視し適切に対

ワールド

マレーシア、16歳未満のSNS禁止を計画 来年から

ワールド

米政府効率化省「もう存在せず」と政権当局者、任期8
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中