最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

Russia Missile Launch Goes Spectacularly Wrong in Video

2022年9月2日(金)17時43分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ロシアS300ミサイル

S300ミサイル発射の様子(2017年) REUTERS/Maxim Shemetov/File Photo

<打ち上げ後に軌道を外れたミサイルは、ウクライナとの国境に近いロシアのベルゴロドに着弾したと見られ、その瞬間を多くの住民が目撃していた>

ロシア軍によるミサイル発射が「大失敗」した瞬間を捉えたとみられる動画が、インターネット上に出回っている。

■【動画】軌道を逸れてロシア国内の住宅地に着弾するミサイル

ウクライナ軍の当局者によれば、8月31日の夜、ロシア軍は北東部のハルキウ(ハリコフ)で地対空ミサイル「S300」6発を発射したものの、このうち1発が軌道を外れ、国境に近いロシア・ベルゴロドの住宅街に着弾した。ベルゴロドの住民数人が、その瞬間をカメラで撮影していたという。

オープンソース・インテリジェンスのアカウントOSINTtechnicalが、失敗したミサイル発射を捉えたとされる動画の一部を共有。「誘導システムに何か深刻なトラブルが生じたようだ」と示唆した。

19秒間のある動画は、問題のミサイルが打ち上げられた後に進行方向を変えて軌道を逸れ、最終的には地上に落下して爆発を起こす様子を捉えている。

ロケットが着弾した正確な場所はまだ分かっていないが、メッセージアプリ「テレグラム」の複数のチャンネルによれば、ベルゴロド南西部のコムソモルスキー村とみられる。

ベルゴロド州のビャチェスラフ・グラトゴフ知事は自らのテレグラムのチャンネルで、市内で複数の爆発が報告されており、同州の防空システムが作動したと説明。投稿時点までに入った情報によれば、被害や犠牲者は出ていないと述べた。

6月にも複数の「失敗動画」が出回っていた

ロシア軍の設備が誤作動したとみられるのは、今回が初めてではない。6月には、ロシアの防空システムが誤作動した瞬間を撮影した動画が、ソーシャルメディア上に出回った。

ミサイルが発射地点に引き返してくるように見える瞬間を捉えた動画もあった。ウクライナ東部のルハンスク(ルガンスク)州アルチェフスクから発射された地対空ミサイルが、発射後に軌道を変えて引き返し、発射地点の近くに着弾したのだ。

■【動画】Uターンして発射地点に戻ってきてしまうミサイル

テレグラムのチャンネル「Kyiv Operative」が最初に投稿したこの動画には、ミサイルが発射された直後に向きを変えて逆戻りし、着弾して大規模な爆発が起きる様子が映っている。爆発後には、サイレンやアラームの音が鳴り始めている。

この爆発で破壊された、あるいは損傷した設備があるのかどうかは不明だ。被害者の中に、ロシアが支援する分離独立主義者が含まれていたかどうかも分かっておらず、この奇妙な誤作動の原因も分からなかった。

また6月には、ロシア軍が同市でミサイル発射を試みたものの、ウクライナの報道機関24TVの当時の報道によれば、1発目が発射後すぐに空中で爆発してばらばらになり、住宅街からさほど離れていないところで火災を引き起こしたということだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ボルトン元米大統領補佐官、無罪を主張 機密情報持ち

ビジネス

ユーロ圏インフレリスクの幅狭まる、中銀の独立性不可

ワールド

ハマス、次段階の推進を仲介者に要請 検問所再開や支

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 9
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 10
    男の子たちが「危ない遊び」を...シャワー中に外から…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中