最新記事

ロシア

【動画】ロシアの「最先端ロボット」には......実は人が入っていた

2018年12月13日(木)15時00分
デービッド・ブレナン

「ロボット」はステージ上でダンスも披露した Russia 24/YOU TUBE

<ロシアの国営テレビで「最先端ロボット」と紹介されたが、その動きはあまりに「人間らしい」>

ロシアの国営テレビ「ロシア24」が若者向けハイテクイベントで披露されたとニュースで紹介した「最新型ロボット」が、実際には中に人が入った着ぐるみだったことがわかった。

このロボットは、モスクワ北方の都市ヤロスラブリで開催される技術フォーラムを紹介する、11日放送の国営テレビのニュース映像に登場した。

しかし英ガーディアン紙などによると、ロシアのネットメディアやソーシャルメディアは、放送後すぐにこのロボットの「疑わしい特徴」について指摘を始めた。

ニュース映像でこのロボットは、2人の出演者に挟まれてステージ上に立ち、2人の動作を見事にまねて再現している。放送では「ロボットの『ボリス』は、もうダンスもできるようになった。とても上手だ」と解説している。

(「ロボット」の画像は2:33~)


これに対してロシアのテクノロジーサイト「TJournal」は、外部センサーはどこに装備されているのか、ダンス中に「不必要な動き」があるのはなぜか、といった疑問点を列挙した。

極めつけの疑問は、なぜこのロボットは人間が入るのにぴったりのサイズに作られているか、だろう。

こうした疑問が出るのも当然のことだ。ガーディアンによると、このロボットと同型の着ぐるみ「アリョーシャ」という商品がネット上で販売されていることがわかった。

「アリョーシャ」の価格は3800ドルで、マイクやタブレットディスプレイも装着されている。製造元の説明によると、「目の前に本当のロボットが立っているような錯覚」を演出するという。

フォーラムの主催者側は、このロボットを本物と思わせようとは考えていなかったようだ。しかし国営テレビは、意図的かどうかは不明ながら、まるで本物のように報道している。「こんな最先端ロボットに触れる機会があれば、学生たちの誰かが将来ロボット工学を志すかもしれない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イスラエル向けF15戦闘機の契約発表 86億ド

ワールド

トランプ氏「台湾情勢懸念せず」、中国主席との関係ア

ワールド

ロ、ウクライナで戦略的主導権 西側は認識すべき=ラ

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタル基盤投資会社を買収 AI
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中