最新記事

仮想通貨

歴史的急騰が続くビットコイン 仕掛人は意外にも日本の個人投資家

2017年12月14日(木)17時31分

12月13日、仮想通貨のビットコインが金融史に残る急騰劇を演じている。17世紀のチューリップや1970年代後半の金(ゴールド)に似てきた上昇相場の主役として、躍り出たのが日本の個人投資家だ。写真は8日撮影(2017年 ロイター/Benoit Tessier)

仮想通貨のビットコインが金融史に残る急騰劇を演じている。17世紀のチューリップや1970年代後半の金(ゴールド)に似てきた上昇相場の主役として、躍り出たのが日本の個人投資家だ。まれに見る急騰ぶりにバブル懸念が膨らんでいるものの、将来性やテクニカルなど、投資家はそれぞれの「確信」をもって臨んでおり、簡単には降りそうにもない。

高まる「確信」の構図

「時価総額は1000兆円になる」──。約2年前にビットコインの取引を始めた小林義典氏(39)は、ビットコインに明るい未来を描く。今の法定通貨に置き換わるとまではみていないが、利用者がこのまま増えれば、通貨全体の10%程度のシェアにはなるはずだと予想する。

「ドルやユーロなど世界全体の通貨供給量は約1京円。10%になれば1000兆円だ。しかも、ビットコインの総発行数は今の仕様では上限は2100万枚。あと約440万枚しか増えない。価格は必然的に急騰する」と小林氏。

仮想通貨関連の情報サイト「コインマーケットキャップ」によると、ビットコインの時価総額は日本時間13日朝の時点で約2940億ドル(約33兆3700億円)。1年前の約125億ドルから23倍以上に拡大している。最近の膨張スピードはすさまじく、11月30日からの2週間弱で約8割増加し、トヨタ自動車<7203.T>の時価総額を抜き去った。

ビットコインの将来性よりも、値動きそのものに魅力を感じる個人投資家もいる。「ぜんしんげんぼう」(短文投稿サイト、ツイッターでのハンドルネーム)氏は「ボラティリティーが高く、国内で25倍のレバレッジをかけられる。24時間365日取引できて休日リスクもない。ビットコインが将来どうなるかなどは関心はない」と話す。

同氏は証券会社勤務を含めた28年間、株式や商品市場で売買を行ってきた経験を持つ。テクニカル分析の結果、1970年代の金の大相場と今回のビットコイン相場は類似すると分析。「未整備の市場なだけに、トレーダーの視点からみておかしいところがごろごろしている。それがもうけの源泉になる」と今年9月から取引を開始した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中