最新記事

サイバーテロ

北朝鮮が米国にサイバー攻撃 FBとマイクロソフトが阻止

2017年12月20日(水)10時29分

12月19日、米ホワイトハウスのトム・ボッサート大統領補佐官(国土安全保障担当)は、米フェイスブックと米マイクロソフトが先週に北朝鮮による数多くのサイバー攻撃を阻止したと明らかにした。ロンドンで4日撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

米ホワイトハウスのトム・ボッサート大統領補佐官(国土安全保障担当)は19日の会見で、米フェイスブックと米マイクロソフトが先週に北朝鮮による数多くのサイバー攻撃を阻止したと明らかにした。

2社が取った具体的な措置には触れなかったが、米政府は他の企業にもサイバー攻撃対策での協力を求めていると述べた。

ボッサート氏はこの会見で、今年5月に世界的な被害をもたらしたランサムウエア(身代金要求型ウイルス)「WannaCry(ワナクライ)」を使ったサイバー攻撃に北朝鮮が関与していたと正式に発表。北朝鮮にこの攻撃の責任があることを示す明らかな証拠を米政府はつかんでいると述べたが、証拠自体は公表しなかった。

フェイスブックの広報担当は、北朝鮮当局とつながりのあるハッカー集団「ラザルス・グループ」に関連したアカウントを同社が先週に削除したことを認めた。削除されたアカウントは大半が個人のプロフィールを載せた偽のアカウントで、攻撃の標的との関係を築くために使われていた。同社はこれらのアカウントと連絡を取った利用者に通知を行ったという。

一方、マイクロソフトのブラッド・スミス社長はブログで、同社が先週にラザルスが利用するマルウエア(悪意あるソフトウエア)を妨害し、顧客のコンピューターからマルウエアを駆除し、「サイバー攻撃の遂行に使われていたアカウントの機能を停止させた」とコメント。これらの対策を講じる前に複数の政府と協議したが、決定は同社だけで行ったと明らかにした。

北朝鮮政府のコメントは得られていない。北朝鮮側はワナクライのサイバー攻撃への関与を否定している。

[ワシントン 19日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノバルティスとロシュ、トランプ政権の薬価引き下げに

ビジネス

中国の鉄鋼輸出許可制、貿易摩擦を抑制へ=政府系業界

ワールド

アングル:米援助削減で揺らぐ命綱、ケニアの子どもの

ワールド

訂正-中国、簡素化した新たなレアアース輸出許可を付
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中