最新記事

中国外交

中国メディア、米中首脳会談を評価「両国関係の新しい青写真が示される」

2017年11月10日(金)15時50分

11月10日、中国国営メディアは、今週訪中したトランプ米大統領(写真右)と習近平国家主席(写真左)の会談について、米中首脳は両国関係の新たな青写真を描きつつあるとして評価した。写真は北京で9日撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米大統領は10日、中国訪問を終えてベトナムに出発し、中国の習近平国家主席について「高い尊敬を集めている」として称賛した。

トランプ大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためベトナムへ向かった。出発直前にツイッターで「習主席との会合は、貿易と北朝鮮の両方の点でとても生産的だった」と書き込んだ。「(習主席は)高い尊敬を集めている、中国国民の強力な代表者だ。彼と彭麗媛夫人と過ごした時間は素晴らしかった」とした。

また、米中の貿易問題を巡り中国を責めることはしないとした前日の発言を繰り返し、「貿易面で中国に米国を利用することを許した過去の政権の能力のなさを責める」とした。

一方、中国国営メディアは10日、今週訪中したトランプ大統領と習主席の会談について、米中首脳は両国関係の新たな青写真を描きつつあるとして評価した。

チャイナ・デーリーは論説記事で「米中関係を悩ませてきた立場の相違が直ちに解消されることはなかったものの、最も重要なのは、こうした課題に両首脳が建設的に取り組む姿勢を示したことだ」との見方を示した。

また「両首脳は、特に貿易や北朝鮮の核開発などの問題を巡る米中間の相違に対し、対立ではなく、互いに協力して対応していく考えを示した」と評価した。

トランプ大統領は訪中前、習主席に北朝鮮問題でより大きな役割を果たすよう求める考えを示していたが、習主席は、少なくとも公の場では、対話を通じて北朝鮮の非核化を実現すると表明するにとどまった。

環球時報は論説で「中国は北朝鮮との関係を犠牲にして、最大限の努力をした」とし、「トランプ大統領は、朝鮮半島非核化のために中国が無欲の貢献をしていることを徐々に理解しつつある。これ以上要求することはできない」との見方を示した。

中国外務省のシンクタンク、中国国際問題研究所のSu Xiaohui氏は共産党機関紙、人民日報(海外版)への寄稿で、米中の協力が両国にとって唯一の正しい選択だとし、「米中関係の新しい青写真が示されつつある」と分析した。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中