経済産業省は10日、神戸製鋼所 <5406.T>がアルミ・銅製品の性能データを改ざんしていた問題で、同社に対して違法性や安全性で問題がないか事実関係を調べ、原因究明と再発防止策を講じるよう指示したことを明らかにした。

問題のある製品を使っている企業に対しても、安全性の検証を急ぐよう求めた。検証結果によっては、大規模なリコール(無料の回収・修理)に発展する可能性もある。

神戸製鋼は8日、自動車や航空機などに使われているアルミや銅の製品の一部について、強度などを示す検査証明書のデータを書き換え、顧客と契約した製品仕様に適合しているように見せかけ出荷していたと発表した。

これについて、会見した製造産業局の小見山康二金属課長は「公正な取引基盤を揺るがす不適切な行為で、大変重く受け止めている」と指摘。神戸製鋼に対して、1)違法性の有無や、安全性上問題がないかを含めて事実関係を明らかにする、2)顧客に情報提供し、適切に対応する、3)今回の事案を公表する、4)できるだけ早く原因究明と再発防止策を講じる――の4点について指示したことを明らかにした。

処分の可能性については「アルミの製造事業に関しては業法がないので、それに基づく処分のスキームがない」とした上で「現時点で法令違反が認められるわけではないので、法律に基づく処分は想定していない」と語った。

ただ、神戸製鋼をめぐっては、昨年もグループ会社の神鋼鋼線ステンレスが、ばね用ステンレス鋼線の一部で強度データを改ざんしていたことが発覚している。小見山課長は「昨年に続く不祥事にあることに加え、納入先の広がりや管理職の関与、社会全体への影響を考慮すると、行政として追加的な対応をとり得るか検討していきたい」とも付け加えた。

神戸製鋼が過去1年間(昨年9月から今年8月まで)に出荷した製品を調査したところ、アルミ製品約1万9300トン、銅製品約2200トンでデータの改善が発覚した。広報担当者によると、この数量はこの期間に出荷したアルミ・銅製品の4%に相当、出荷先は約200社にのぼるという。

納品先メーカーにも安全確認を指示