最新記事

テクノロジー

新型アップルウオッチは、ポストiPhoneの大本命

2017年9月23日(土)14時45分
ウィル・オリマス

アップルウオッチシリーズ3を発表するジェフ・ウィリアムズCOO(最高執行責任者) Stephen Lam-REUTERS

<新発売が発表されたアップルウオッチの「シリーズ3」は、いよいよ通信デバイスとして単体で使える存在に>

9月12日のアップル新製品発表会、世間の注目はもっぱらiPhoneシリーズの最新作X(テン)に集まっていたが、実を言うと最高にワクワクしそうな製品は別にあった。アップルウオッチの「シリーズ3」だ。

アップルに限らず、IT系の新製品が真価を発揮し、ユーザーが買ってよかったと納得するのは、たいてい何度もバージョンアップを重ねてからだ。

アップルウオッチも(そして他社のスマートウオッチも)例外ではない。とりわけ初代は、実用的デバイスというよりプロトタイプに近かった。メールや通話の機能はあっても、iPhoneがなければ携帯電話網に接続できなかった。

しかも操作方法が煩雑過ぎた。あの小さい画面をタップしたりスワイプしたり、「デジタルクラウン」を回したり、さらにボイス・コントロールの機能も付いていた。確かに素敵な機能だが、多機能過ぎて複雑になり、便利であるべきデバイスが便利ではなくなっていた。結果、初代のアップルウオッチで(素人でもどうにか)使えたのは健康管理の機能くらいだった。

そのため昨年発売された「シリーズ2」では健康管理機能を強化し、独立した腕時計型コンピューターというコンセプトは深追いせず、iPhoneのアクセサリーという位置付けで満足した。そして営業的には一定の成果を上げたらしい(CEOのティム・クックは誇らしげに、今やアップルウオッチは「世界でナンバーワンの時計」だと豪語したが売上台数は公表していない)。

しかしアップルは「シリーズ3」で、初代の果たせなかった夢を実現しようとしたらしい。軽くて小さくて、しかも単体で使える通信デバイスという夢だ。さらに音声アシスタントのSiri(シリ)やワイヤレスヘッドホンのAirPods(エアポッズ)の進化によって、使い勝手も格段によくなった。

今度のアップルウオッチなら「iPhoneの後継機」になれるかもしれない。つまり、iPhoneがなくてもクラウド上に保存したデータを自在に操れる手首装着型デバイスだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB利下げ「良い第一歩」、幅広い合意= ハセット

ビジネス

米新規失業保険申請、3.3万件減の23.1万件 予

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中