最新記事

中国共産党

第19回党大会と新チャイナ・セブン予測(1)

2017年9月1日(金)16時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

習近平政権が誕生した第18回党大会(2012年11月) Carlos Barria-REUTERS

第19回党大会が10月18日から開催されることになった。そこで新チャイナ・セブンが決まる。日本の読売新聞がそのリストが判明したと報道したことに対して、海外中文メディアから疑問と批判が噴出している。批判を読み解く。

第19回中国共産党全国代表大会

われわれが一般に「5年に1回開かれる党大会」と呼んでいる第19回の中国共産党全国代表大会(第19回党大会)が10月18日から開催されることが、8月31日にわかった。中国政府の通信社である新華社の電子版「新華網」および中国共産党新聞網が伝え(アクセスできない場合もある)、CCTVでも報道された。

それによれば8月31日に中共中央(中国共産党中央委員会)政治局会議が開催され、第18回党大会の七中全会を10月11日に北京で開催し、政治局会議は七中全会に対して第19回党大会を10月18日から北京で開催することを建議することを決定したという。会議は中共中央の習近平総書記が主宰した。

2016年11月9日、中共中央は第18回党大会六中全会(第六回中央委員会)を開き、「第19回党大会代表選挙に関する通知」を公布し、この日から全党員による選挙が始まった。選挙により40の選挙区から6月末日までに2300人の「(全国代表大会の)代表」(以下、代表)を選ぶことが決定された。半年間に及ぶ選挙は、選挙期間だけから見れば、アメリカの大統領選にも似ている。

2017年6月30日の新華社電によれば、2016年末までの統計で、中国共産党党員の総数は8944.7万人とのこと。昨年より68.8万人増加し、増加率は0.8%。約9000万人と記憶しておく方がいいかもしれない。

代表の選挙方法だが、たとえば日本の国会議員の選挙においても、仮に元総理大臣あるいは自民党総裁の職にあった人でも解散総選挙となれば国民の投票によって当落が決まるように、中国でも中国共産党の党大会全国代表は9000万人の党員による選挙で決まる。それは習近平や王岐山などのチャイナ・セブンにおいても同様で、一般党員の選挙の洗礼を受ける。

違うのは日本の国政選挙では自民党以外にも多くの党から立候補者が出るが、中国では中国共産党の一党支配なので党大会自身が国政を決めることに直結することだ。

代表選に出る候補者名は、党中央や村の党組織に至るまで、党の各レベルの組織の推薦に基づくが、推薦すれば全員が当選するわけではない。15%の差額選挙と称して、15%の候補者は落選する。

今般、習近平は一党員として貴州省という選挙区から選出された。王岐山は湖南省から、張高麗は陝西省からという具合で、この選挙区選定も含めて六中全会が決めている。

党大会で決まることが分かっているのは党規約改正や今後の方針以外では、「中央委員会委員」、「中央紀律検査委員会委員」および「中央軍事委員会委員」そして世界が注目している「中共中央政治局委員&中共中央政治局常務委員会委員」の選挙による選出である。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中