最新記事

災害

ハリケーン「イルマ」カリブ海で10人死亡 週末フロリダ州上陸へ

2017年9月8日(金)10時20分

9月7日、大型ハリケーン「イルマ」は、5段階中最強の「カテゴリー5」の勢力を保ったままハイチ沖合いを通過、このままの進路をたどれば10日に米南部フロリダ州に上陸する見通し。配置で撮影(2017年 ロイター/Andres Martinez Casares)

大型ハリケーン「イルマ」は7日、5段階中最強の「カテゴリー5」の勢力を保ったままハイチ沖合いを通過、このままの進路をたどれば10日に米南部フロリダ州に上陸する見通し。

カリブ海の島々ではこれまでに、少なくとも10人が死亡している。

米国立ハリケーン・センター(NHC)によると、フロリダ州には5段階分類で2番目に威力が強い「カテゴリー4」の勢力で上陸する見通しで、今後48時間以内に高潮や洪水が発生する見込み。

この数日間にイルマは最大風速時速185マイル(290キロ)でカリブ海のバーブーダ島やサン・マルタン島、英領バージン諸島、米領バージン諸島を直撃。その後、ドミニカ共和国の北方を通過した際は風速が同175マイルにやや弱まった。

NHSによると、大西洋で発生するハリケーンとしては最も強力で、大西洋海盆を襲ったハリケーンとしては過去82年で5本の指にあ入る強さ。

トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に「風力は今までに見たことないほど強い」とコメント。フロリダ州の住民に強く警戒するよう呼び掛けた。

フロリダ州の危機管理当局は住民の避難を開始し、最南端キーズ諸島の観光客に立ち退きを求めた。ジョージア州のディール知事は、同州の大西洋沿岸部で9日に強制避難を始めると表明した。

フランスのフィリップ首相は、フランス領とオランダ領に分割されているサン・マルタン島で4人の遺体を収容したと発表。

米自治領プエルトリコのロセジョ知事は、3人が死亡し、住民の3分の2が停電に見舞われたと明らかにした。バーブーダ島でもサーファーが死亡したと報じられている。

英外務省のアラン・ダンカン閣外大臣は、被災した英領の諸島に海軍の船舶がテントや車両などの救援物資を輸送すると述べた。英政府は十分な支援を行っていないとの批判を多くの住民から受けていた。

エリザベス女王は、カリブ海諸島の壊滅的被害についての報道に「ショックを受け悲しんでいる」と述べた。

[カパイシャン(ハイチ) 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

仏首相、年金改革を27年まで停止 不信任案回避へ左

ビジネス

米ウェルズ・ファーゴ、中期目標引き上げ 7─9月期

ビジネス

FRB、年内あと2回の利下げの見通し=ボウマン副議

ビジネス

JPモルガン、四半期利益が予想上回る 金利収入見通
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 5
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 6
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 7
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 8
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中