最新記事

中国社会

【写真特集】現代中国の消費主義劇場

2017年7月28日(金)18時00分
Photographs by PRISCILLA BRIGGS

各国名所のミニチュアを集めた深圳のテーマパーク「世界の窓」で撮影する訪問客

<共産主義と資本主義が混ざり合う現代の中国は、進歩的でもあり破壊的でもある>

壮大な「一帯一路」構想、途上国への巨額のインフラ投資、外国経済を左右する爆買い......。急速な経済成長を遂げた中国は、世界の風景を一変させている。だが、何より複雑で大胆に変化したのは、中国そのものだ。

きらびやかなショッピングモールや大量生産の工場、欧米のコピー商品は、中国的な価値観に欧米文化の波が押し寄せ、共産主義が資本主義と混ざり合う様子を物語る。その変化は、進歩的でもあり破壊的でもある。

写真家プリシラ・ブリッグスは、08年に初めて訪れた中国で独特の「共産党支配下の資本主義」に興味を引かれた。その後何度も中国東海岸を旅し、撮りためた作品を写真集『インポッシブル・イズ・ナッシング(不可能は何もない)』にまとめた。

【参考記事】中国人の収入は日本人より多い? 月給だけでは見えない懐事情

国家共通の目標が、個人の希望よりも優先されるべきだという共産党の推し進める価値観とは裏腹に、中国の経済成長は急拡大する消費者階級を生んだ。彼らは欧米の資本主義を手本に贅沢さや地位を追い求める。

コピー商品の蔓延や工場労働の風景からは消費主義のもたらす弊害も読み取れる。だが作品が表現するのは、あくまで楽観的で強気な現代中国の姿だ。

Photographs from "Impossible is Nothing: China's Theater of Consumerism" (Daylight Books) by Priscilla Briggs


ppchinaconsume02.jpg

高級ブランドが立ち並ぶ上海のショッピングモール「グランドゲートウエー」


ppchinaconsume03.jpg

浙江省温州市の店先に並ぶマネキン


ppchinaconsume04.jpg

西洋名画のコピーを「大量生産」する福建省廈門(アモイ)市の油絵画家


ppchinaconsume05.jpg

リッチな場面を演出するウエディングフォトスタジオ(福建省晋江市)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中