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韓国を飲み込んだ中国--THAAD追加配備中断

2017年6月8日(木)20時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

なぜ日本は真の勇気を持たないのか。

なぜ日本は真実を訴えて、言論弾圧に苦しんでいる中国の民主活動家たちに手を差し伸べようとはしないのか。

つい先般、来日していた天安門事件の犠牲者の一人(サンフランシスコ在住)とメールで意見を交換した。

彼は天安門事件のときに中国人民解放軍の戦車にひかれて両足を失っている。

身の安全のために渡米し、民主化活動を行っている。

どこもここもチャイナ・マネーに飲み込まれて、中国の民主化は遠のくばかりだ。

筆者も、中国人民解放軍の銃弾を受けた者の一人として、そしてその事実に関する歴史を中国で語れば罪人になってしまう者の一人として、言論の自由のために戦っている。

去る6月4日、天安門事件の日、ワシントンの中国大使館の前で、アメリカに逃れた民主活動家たちが抗議デモを展開した。その中には私の多くの友人がおり、また先日まで日本にいた漫画家・辣椒(ラージャオ)もいた。

彼らからのメッセージを伝えたい。

――もし日本が、本当に「日中友好」を考えるのなら、民主化のために、そして言論の自由のために戦っている中国人に手を差し伸べてほしい。それこそが本当の「中国人への友好」ではないだろうか。いま日本が進めようとしている「日中友好」は、日本の利益を優先した友好でしかない。それは日中戦争の時の「自己利益」を優先した日本と似ているような気がする。遠藤が明らかにした毛沢東に関する事実を、中国に訴えることができるのは日本だ。そうすれば日本は非常に強い立場になる。その証拠に中国は遠藤を非難しようとしていない。非難すれば「毛沢東が日中戦争の時に何をしたか」に焦点が当たってしまう。中国共産党が、本当は嘘をついていることが世界に明らかになってしまう。中国はそれを恐れている。日本はそのことに気づいてほしい。

彼らと約束をしたので、この言葉を日本の皆さんにお伝えしたい。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)


※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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