最新記事

円高

「トランプ円高」が加速 朝鮮半島リスクとドル高けん制で

2017年4月13日(木)19時21分

一方、朝鮮半島有事で日本が巻き込まれた場合、円高になるか円安になるかは見方が分かれている。1)投機の円買い、2)円キャリートレードの巻き戻し、3)日本勢の対外資産取り崩し、という円高ルートが考えられる。ただ、日本国内に資産を置くリスクが意識されれば、円安圧力が強まるとの指摘もある。

この先もイベント目白押し

さらに向こう1カ月の間には「米為替報告書」公表、日米経済対話など、米国を巡って円高材料になりかねないイベントが目白押しだ。

米為替報告書については、トランプ大統領が中国を為替操作国に認定しない方針を示したことで「日本やドイツが操作国認定されるリスクは後退した」(国内証券)とみられている。

だが、日米経済対話については「一時的に対立相手を設けて攻撃することで存在感をアピールする手法が持ち込まれるなら、メイントピックは高い確率で通貨・通商問題になり得る」(みずほ銀行・チーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)との指摘もある。

ドル/円のリスク・リバーサル(RR)25%デルタは、一カ月物がミドルレートで2.625%のドル・プット・オーバーとなった。昨年6月の英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票付近、同11月の米大統領選挙付近に次ぐ傾きだ。

不確実な要因が多過ぎるため、明確な下値めどが見つけにくくなっている。ただ、地政学リスクの高まりに種々の円買い要因が重なれば、ドルは米大統領選開票前の水準の105円台まで下げ余地があるとの見方も出ている。

(杉山健太郎 編集:伊賀大記)

[東京 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、中短距離ミサイル配備制限を解除 米の欧亜展

ワールド

中国やパキスタンなどの「傭兵」が戦闘、ウ北東部=ゼ

ビジネス

米製造業新規受注、6月は前月比4.8%減 航空機受

ワールド

対インド関税「大幅に引き上げる」、トランプ氏警告 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザベス女王の「表情の違い」が大きな話題に
  • 4
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 5
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「原子力事…
  • 6
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    すでに日英は事実上の「同盟関係」にある...イギリス…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 10
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中