最新記事

シリア

アサドの化学兵器使用はオバマのせい──トランプ政権

2017年4月5日(水)16時46分
ロビー・グレイマー

ただ米政権交代後、トランプのシリア政策見直しの公約にもかかわらず、アメリカはシリア政策に本腰を入れていない。米当局者は、「アメリカは現地で積極的に軍事行動を行っているトルコやロシア、イランとは異なり、シリアに対して影響を及ぼす力がさほどない」と言う。シリアの停戦協定を監視しているのはロシアやイランだから、今回の空爆はそれらの国々の責任だとの考えを示した。

【参考記事】独裁者アサドのシリア奪還を助けるロシアとイラン

シリア政府は空爆について「断固として責任を否定する」との声明を発表した(空爆に使用された飛行機は、アサド政権軍のものとみられる)。「今回の空爆に関して、化学・毒物の使用を一切否定する。過去にも化学兵器の使用はなく、将来も使わない」と、強く否定している。

国連本部は今回の空爆に関してまだ声明を発表していないが、英国とフランスは、国連安全保障理事会で緊急の会合を開くよう議長国のアメリカに要請した。

アントニオ・グテレス国連事務総長はステファン・デュジャリック報道官を通して、「非常に動揺している。現時点で国連は空爆について検証する立場にないが、報告書に目を通していく。化学兵器の使用によるシリアでの幾度にも及ぶ人権侵害の問責には、国連も頭を抱えている」と述べた。

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米重工業大手ハネウェル、上場3社に再編へ 物言う株

ワールド

米政府職員労組、トランプ政権を提訴 USAIDの解

ワールド

米効率化省の政府決済システムアクセス、訴訟中は制限

ビジネス

お知らせ-午前5時02分に配信した気候ストレステス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 7
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 8
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 9
    「僕は飛行機を遅らせた...」離陸直前に翼の部品が外…
  • 10
    連邦政府職員を「ディープステート」として国民の敵…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 7
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中