最新記事

北朝鮮

中国、絶体絶命か?――米議会までが中国に北への圧力強化を要求

2017年4月4日(火)18時18分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

中国を追い込めるのか、トランプ米大統領 Kevin Lamarque-REUTERS

米中首脳会談を前に「中国が協力しないならアメリカ単独で行動する」とトランプ大統領。ヘイリー米国連大使も「北は中国の言うことを聞くはずだ」と。米下院までが北朝鮮に対する中国の圧力強化要求を決議。中国は?

北は中国の言うことを聞かない!

まず回答が見えやすいことから先に考察しよう。

4月3日、アメリカのヘイリー国連大使(トランプ政権の閣僚級高官)は、3月30日に共同通信などの取材に応じたときと同様、「トランプ政権は北朝鮮問題を巡り中国に行動するよう圧力をかけるだろう」と述べただけでなく、さらに「北朝鮮は中国の言うことを聞くはずだ」と述べたという。トランプ大統領の「もし中国がアメリカに協力しないなら、アメリカ単独で北朝鮮問題を解決しよう」という言葉とともに、CNNなど多くの内外メディアが伝えた。

しかし、「北朝鮮が中国の言うことを聞くはずだ」というアメリカ側の分析は、やや期待過剰ではないだろうか。

もし北が中国の言うことを聞いているなら、中朝首脳会談はとっくに行なわれているはずだ。中国の言葉を借りれば、「あの若造が、どうしても中国の言うことを聞かない」からこそ、習近平政権誕生以来、中朝会談が行われていないのである。中朝双方に新しい政権が誕生したというのに、この状況下で中朝首脳会談が行われていないというのは、中華人民共和国建国以来、初めてのことだ。このような前代未聞のことが起きているほど、中朝の仲はよくない。六者会談のテーブルに着こうとせず、核やミサイルで挑発を続ける北を、中国ははらわた煮えくり返るほど苦々しく思い、許せないと思っている。

それでも中国としては、北朝鮮という「緩衝地帯」を失うわけにはいかない。中国はその激しいジレンマに追い込まれているというのが実情だ。

それなら、「緩衝地帯を、さっさと放棄すればいいではないか」と第三者的には思うが、中国にとって、ここは譲れない線だろう。

念のため、ヘイリー米国連大使の言葉に関して中国政府関係者に聞いてみた。すると予想した通りの言葉が戻ってきた。

――あの若造が、中国の言うことなど聞くはずがないだろう!聞くんだったら、とっくに中朝首脳会談を行ってるよ!こんな異常事態が起きていることこそが、「北が中国の言うことなど聞きはしない」、何よりの証拠だ!

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ホルムズ海峡「ロシアには開放」=ウシャコフ大統領補

ワールド

ホルムズ開放巡り約40カ国がオンライン会合、英国主

ワールド

トランプ政権、鉄鋼・アルミ関税簡素化へ 2日にも発

ワールド

ロシアの石油輸出能力2割減、ウクライナ攻撃で減産見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 3
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受給年齢」
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 6
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 7
    先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的…
  • 8
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 9
    「一般市民に敵意なし」...イラン大統領が米国民宛て…
  • 10
    200年前の沈没記録が裏付けられた...捕鯨船を海の藻…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中