最新記事

移民

カナダ人の半数、不法移民送還を希望 首相の政策に不満も

2017年3月21日(火)15時25分

3月20日、ロイターとイプソスが発表した世論調査で、カナダ人の48%が米国からの不法入国者の送還を望んでいるほか、46%がトルドー首相の対応に不満を持っていることが分かった。写真はケベック州ヘミングフォードに米国国境を超えてきた不法入国者(写真左)がカナダの警察官に連行される様子(2017年 ロイター/Christinne Muschi)

ロイターとイプソスが20日に発表した世論調査で、カナダ人の48%が米国からの不法入国者の送還を望んでいるほか、46%がトルドー首相の対応に不満を持っていることが分かった。

調査は8─9日、18歳以上の成人1001人を対象に、英語とフランス語でインターネットを通じて実施。

その結果、不法にカナダに居住する人々の送還強化を求める人と、最近米国から国境を越えてきている人の米国送還を望む人の割合が、それぞれ48%だった。一方、これらの入国者を受け入れて亡命申請の機会を与えるべきとの回答は、36%だった。

さらに、41%が不法入国者によってカナダの安全度が「低くなる」と考えていた。安全度に変化はないと予想している回答者は46%だった。

カナダでは過去数十年にわたり、高水準の合法移民の受け入れが超党派で広く支持されてきた。だが不法移民については、大量流入への対応を迫る首相への圧力が生じている。

トルドー首相の対応については、不満との回答が46%、37%が評価すると回答、17%が分からないと答えた。

次回選挙は2019年で、首相にとって差し迫った脅威はないとみられている。

首相府は調査に関するコメントを控えた。

シンクタンク、マクドナルド・ローリエ・インスティテュートのブライアン・リー・クローリー所長は、気温上昇とともに不法移民の数は増える可能性があると指摘。「不法移民が制御不能と人々が感じるようになれば、政府にとって極めて深刻な政治問題になると思う」と述べた。

[ウィニペグ(マニトバ州)/オタワ 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

円建て債券は残高横ばい、オープン外債を積み増し=明

ワールド

トランプ氏の不倫口止め料巡り審理開始、「選挙不正」

ビジネス

「コーチ」の「マイケル・コース」買収阻止へ、米FT

ビジネス

春闘は常に重要な変数、政策変更につながるかは情勢次
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 10

    米セレブの「恥ずかしい肉体」をさらす際どいビキニ…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中