最新記事

移民

トランプ、豪政府との密航者移住「ばかげた合意」再検討へ

2017年2月2日(木)15時53分

2月2日、トランプ米大統領はツイッターで、イラクやイランなどからオーストラリアに亡命を希望して密航した数百人を米国へ移住させるという米豪間の取り決めを「ばかげた合意」と評し、再検討する意向を示した。写真はメイン州で昨年6月撮影(2017年 ロイター/Brian Snyder)

トランプ米大統領は2日、ツイッターで、イラクやイランなどからオーストラリアに亡命を希望して密航した数百人を米国へ移住させるという米豪間の取り決めを「ばかげた合意」と評し、再検討する意向を示した。

米紙ワシントン・ポスト(WP)はこれより先、トランプ大統領が1月28日に行われたターンブル豪首相との電話会談で首相を激しく非難し、1時間の予定だった会談を25分で切り上げたと報じた。

ターンブル首相は会談について記者団に、率直かつ腹を割った話し合いだったと述べたが、「プライベート」な会話の詳細については明らかにしなかった。

WP紙は米国に最も近い同盟国の1つである豪の指導者との会談についてトランプ大統領が「これまでの中で最悪」と評したとも報じた。

密航者の米国への移住合意は、豪政府とオバマ前政権との間で昨年11月に結ばれた。

これに関しトランプ大統領はツイッターに「これが信じられるか。オバマ政権は豪から何千人もの不法移民を引き取ることに合意した。なぜか。このばかげた合意を調査する」と投稿した。

合意の一環として、米政府は豪政府がパプアニューギニア・マヌス島とナウルの施設に収容している最大1250人の密航者を米国に移住させ、引き換えにエルサルバドル、グァテマラ、ホンジュラスからの難民を豪に移住させることになっている。

豪が国外収容している密航者の多くは、アフガニスタンやイラク、イランから逃れてきた難民。WP紙によると、トランプ大統領は豪首相に対し、米豪間の合意は「最悪の取引だ」とし、豪が米国に「次のボストン爆破犯」を輸出しようとしていると非難したという。

[シドニー 2日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

国内企業物価、11月は前年比2.7%上昇 農林水産

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、次期FRB議長

ワールド

ボルソナロ氏長男、26年大統領選出馬を確認 決断「

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、次期FRB議長
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中